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◆世界初!スーパーハイビジョン多チャンネル・生中継伝送実験を実施
〜 将来の衛星によるスーパーハイビジョン放送に前進 〜
(平成21年5月18日)


○ NHKは、現行のハイビジョンよりもさらに高い臨場感を提供できる次世代のテレビ「スーパーハイビジョン(SHV)」の研究開発を進めています。今回、新たに開発した広帯域変復調器を用い、情報通信研究機構(NICT)と共同で、超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」*1によるSHV多チャンネル・生中継伝送実験を、技研公開の会場で行います。

○ この実験は、将来の衛星による本格的なSHV多チャンネル放送の技術的実現性を示す世界で初めての試みです。

○ 将来の衛星で伝送帯域が広帯域になることを想定し、伝送帯域幅300MHzの広帯域変復調器を開発しました。転送レート500Mbps*2の高速度でデータを送ることができるため、SHV番組の多チャンネル伝送が可能になります。衛星「きずな」は伝送帯域幅が550MHz以上と広帯域であるため、この衛星を利用して伝送実験することができます。

○ 今回、札幌と鹿島からの映像の衛星伝送を行います。札幌からは、生中継を行い、さっぽろテレビ塔に設置したSHVカメラにズームレンズをつけて撮影した札幌市街の様子をお届けする予定です。また、音声は24個のマイクロフォンで構成するマイクロフォン・アレイを使用して収音した22.2マルチチャンネル音響をお届けします。鹿島からは、事前に収録したSHVコンテンツ2チャンネルを送出します。これらの合計3チャンネルのSHVコンテンツを放送技術研究所まで衛星伝送します。

○ 本実験ではSHV映像を圧縮して伝送します。SHVの画面をハイビジョンサイズに16分割して各々を並列して圧縮符号化*3することでリアルタイム処理を実現し、生中継を可能にしています。

○ 5月21日(木)〜24日(日)に開催する放送技術研究所の一般公開で、SHVの衛星による多チャンネル・生中継伝送実験をご覧いただけます。

*1 超高速インターネット衛星 (WINDS: Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)。(独)宇宙航空研究開発機構と(独)情報通信研究機構が共同で開発した実験用静止衛星。
*2 変調方式8PSK、符号化率2/3の場合。
*3 MPEG4 AVC/H.264映像符号化方式。高性能な圧縮方式で、ワンセグサービスなどで使用している。

(参考)
図1 SHV衛星多チャンネル伝送実験の概略

 今回の実験では、3チャンネルのSHVコンテンツ((1)さっぽろテレビ塔からの生中継1チャンネルと(2)予め収録した番組の再生2チャンネル)を、衛星「きずな」を使用して伝送します。

(1)さっぽろテレビ塔からの生中継
 さっぽろテレビ塔の展望台(地上90m)に設置した、ズームレンズを付けたSHVカメラと22.2マルチチャンネル音響のマイクロフォンアレイで、札幌市街の様子を撮影・収音します。この映像・音声は、光回線を用いて、NHK札幌放送局まで非圧縮で伝送します。札幌放送局で圧縮符号化装置により100Mbpsに圧縮し、NICTが整備運用している超高速・高機能の実験用ネットワークである「JGN2plus」を用いてNICT鹿島宇宙技術センタにIP伝送します。

(2)予め収録した番組の再生
 予め収録しておいた2チャンネルのSHV番組(それぞれ100Mbpsに圧縮済のデータ)を、NICT鹿島宇宙技術センタにて再生します。

(3)3チャンネルの衛星伝送
 上記(1)と(2)の合計3チャンネルのSHVコンテンツを今回開発した広帯域変調器を通して、NICT鹿島宇宙技術センタから衛星「きずな」を介してNHK放送技術研究所に衛星伝送します。

(4)受信コンテンツの再生
 NHK放送技術研究所で、エントランス前に仮設した直径2.4mのパラボラアンテナで衛星からの電波を受信し、広帯域復調器および映像・音声圧縮復号装置を通して、3チャンネルのSHVコンテンツを再生・表示します。


図2 開発した広帯域変復調器の外観(左:復調器、右:変調器)





 
 
 
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