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再録 シリーズ「坂の上の雲」明治の夢・歴史の今

2009年10月から11月まで20回にわたって放送されたミニ番組「明治の夢・歴史の今」を再録。「坂の上の雲」ゆかりの地を訪ね、明治という時代と現在とを浮かび上がらせた番組を振り返ります。

第1回 司馬遼太郎のたたずまい 2009年10月1日放送

  • 庶民の街・東大阪
  • 司馬遼太郎記念館
  • 明治を生きた人々

高い技術を世界に誇る町工場が密集する大阪府東大阪市。この街に暮らした司馬遼太郎は、30年以上、歴史小説を書き続けた。駅前の商店街を抜けると、彼から子どもたちに向けてのメッセージが刻まれた文学碑がある。

<21世紀に生きる君たちへ 司馬遼太郎>

君たちは、いつの時代でもそうであったように自己を確立せねばならない──

自分には厳しく、相手にはやさしくという自己を。

司馬遼太郎の文学碑がある公園

文学碑からほど近い住宅街に司馬遼太郎記念館がある。四季折々の表情を見せる雑木林風の庭。庭の奥にある建物は、彼の死後2001年に自宅に隣接した敷地に建てられた。館内には小説の資料として集められた蔵書、およそ2万冊が収められている。執筆にいそしんだ書斎も生前の様子そのままに残されている。記念館を訪れた人は好きな作品として「竜馬がゆく」「坂の上の雲」を挙げ、その魅力を「明治という時代の若々しさみたいなものが上手く描かれているなと思いました」と話していた。

司馬遼太郎記念館

上村洋行館長は、「坂の上の雲」についてこう語る。「初めて日本人が国民という意識を持った時代に、けなげにも近代化に向けて歩み始めた人々と時代背景を描いた作品」。この小説からわかるのは「明治という時代には、公(おおやけ)と私(わたくし)の健全なバランスのとれた人々がいた」ということ。「果たして21世紀の今、そういう健全なバランスはあるのか」「“私”が大きく広がりすぎて、矛盾のようなものが出ているのではないか」そんな危惧を感じるそうだ。

館長の上村洋行さん

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