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  3. 第7位 太平記 -エピソードで振り返る! 人気大河「ベスト10」-

エピソードで振り返る! 人気大河「ベスト10」(「あなたの好きな大河ドラマ」投票結果より) 第7位 第29作 太平記 1991年(平成3年)

エピソード1 初めて描いた南北朝の動乱期

三英傑をはじめ、戦国武将、幕末の志士など、歴史上の有名人は容易にイメージがわくことが多い。ところが「太平記」に登場したのは、あまりなじみのない人物たちだった。それだけドラマや映画で描かれることの少ない時代だったのだ。大河ドラマが初めて描いた鎌倉から室町にかけての南北朝の動乱期、新鮮な歴史時代劇となった。

新鮮なニューヒーロー・足利尊氏

100年続いた北条政権の専制、退廃した鎌倉幕府。そこに討幕の兵を挙げ、内乱を繰り返しながらも室町幕府を開いた足利尊氏(真田広之)の生涯を描いた「太平記」。真田広之さんは、尊氏を演じるにあたって「剛と柔、静と動の両極端を備え、武芸と芸術などいろいろなものに興味を示した人。そのうえ政治家としても優れていて、既成のイメージではとらえきれないですね」と語っていた。また、脚本を担当した池端俊策さんも「英雄というより、小さな正義感を頼りに、迷いながら生きた人物」というふうに感じて、そこに共感を覚えたという。初めて描く時代にふさわしく、大河ドラマの主人公としてはやや異質のニューヒーローだった。

影のヒーローも登場!

表舞台の歴史を生きた人物が足利尊氏。しかし敵味方、善と悪という対立関係の構図のみで「太平記」の時代を描くと、むなしい戦争ものに終わってしまう。そこでドラマでは、無名の多くの庶民の感情や行動をすくい上げることを重視。庶民の代表として“ましらの石”というオリジナルの人物を作り出した。石(柳葉敏郎)は戦災孤児という設定で、常に尊氏と相争う立場。尊氏だけでは表現できない封印された歴史や、蔵の中に眠る人物に光と血を通わせた。

美少女競演に注目

南朝方の公家の重鎮・北畠親房(近藤正臣)の長男・顕家を演じたのは、当時17歳の後藤久美子さんだった。「一度は男の子の役をやりたかった」という後藤さんは顕家役に大喜び。セリフを言うときは低めの声、堂々とした歩き方、さらに重い鎧(よろい)を着けての乗馬や立ち回りなど、見事にこなしていた。

一方、田楽一座の花形舞姫・藤夜叉役で出演したのが宮沢りえさん。尊氏と結ばれる役どころだが、その後、悲劇的な最期を迎えてしまう。“ゴクミとりえちゃん”という当時話題の美少女の競演が注目を集めた。