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  3. 第7位 太平記 -エピソードで振り返る! 人気大河「ベスト10」-

エピソードで振り返る! 人気大河「ベスト10」(「あなたの好きな大河ドラマ」投票結果より) 第7位 第29作 太平記 1991年(平成3年)

エピソード2 美術スタッフが大活躍

「太平記」では、栃木県足利市と群馬県太田市に大河ドラマ史上最大(当時)のオープンセットを作り、数々の場面を撮影した。馬が直線で走り抜ける町並みなど、壮大なセットは迫力ある映像を生み出したが、他の時代にはない苦労がスタッフにはあったようだ。

歴史の空白を埋める作業

「太平記」の舞台である南北朝は、これまでドラマに取り上げられたことがなかった。そのため、ドラマの美術スタッフは具体的な映像を作るうえで非常に苦労したという。資料となるのは絵巻物が少しあるだけ。あとは想像でやるしかない。風俗考証、時代考証の先生のアドバイスを聞きながら手さぐりの作業だったという。

オープンセットも想像力を駆使

日本建築の基礎である書院造りは室町時代に完成したもので、ドラマの舞台となる南北朝のころというのは、建築学的には混乱した時代だった。まだ竪穴式住居もあり、非常に素朴な建物が多かったようだ。美術スタッフは、オープンセットの図面を引くにあたっても、かなりの部分を想像で埋めるしかなかったという。そんな中で工夫したのが、京都と鎌倉の町並み。鎌倉は素朴で武骨、京の公家屋敷はきゃしゃで優雅というふうにひと目でわかるようにした。

モデルのない時代、遊び心も

因習や伝統的権威を嫌い、常識を破る華美な服装と行動を好むのが婆娑羅(ばさら)大名。「太平記」に登場した佐々木道誉(陣内孝則)はその典型だった。そこで美術スタッフも道誉の館や衣裳は思い切ってモダンな色調を駆使するなど、遊び心を取り入れて表現した。また内部装飾にもこだわり、華やかなセットで道誉の婆娑羅ぶりを印象づけた。