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エピソードで振り返る! 人気大河「ベスト10」(「あなたの好きな大河ドラマ」投票結果より) 第4位 第25作 独眼竜政宗 1987年(昭和62年)

エピソード2 政宗と家臣

戦国乱世に奥州の地から天下を目指した伊達政宗(渡辺謙)。そんな政宗の野望を支えたのが側近の伊達成実(三浦友和)、片倉小十郎(西郷輝彦)だった。

抜群のチームワーク

“武の成実”と“智の小十郎”と称された政宗のブレーン。ドラマでは、若き時代から晩年まで信頼の固い絆で結ばれた主君と家臣の関係が描かれた。渡辺謙さんが「西郷(輝彦)さん、三浦(友和)さんとは息ぴったり。自分を含めた3人の関係が、ちょうど政宗、小十郎、成実の関係と似ていたこともあって、スタジオではリラックスして楽しめました」と語ったように、役柄同様、チームワークは抜群だった。三浦友和さんは「謙ちゃんが一番年下なので3人の年齢と役の位が逆だった。それによって精神的には同レベルに並ぶことができたので、バランスがすごく良かったんです」と分析。西郷輝彦さんも「僕らはドラマを超えて本当に仲良くなっていたので、小十郎が一足早く病気で亡くなるシーンを撮るときは、その前から悲しくなっていましたね」と振り返っていた。

太鼓と笛の競演

片倉小十郎は笛の名手として名高い。ドラマでは、政宗が太鼓を打ち、小十郎が笛を吹くというシーンがたびたび見られた。渡辺謙さんは「実際に音を出すのではなく先生のたたく音に合わせて手だけ動かすのですが、これが難しくて…」と、かなり苦労した思い出を語る。しかし指導した福原百之助さんによれば「八方破れな打ち方ですが、それが武骨でいかにも武将らしい。太鼓の基本の構えからすれば手も高く上がりすぎでしたが、豪快でいいなあと思い、あえて直さないことにしました」とか。一度だけ、渡辺謙さんが本当に太鼓をたたいて、そのまま放送したことがある。そのときのことを謙さんは「一世一代の太鼓でしたが気持ちよかった」と楽しそうに話してくれた。

一方、小十郎役の西郷輝彦さんも笛を実際に吹くのではなく、音色に合わせて指を動かす。福原さんは「笛の指というのは相当難しいんですよ。しかし西郷さんにビデオを渡すと、次のレッスン日にはきちんと覚えてきていました」と感心していた。

三者三様の前立て

政宗の兜の前立ては、大きく横に張り出したシャープな印象の弦月。成実は毛虫の前立てだった。決して後ろに退かないという毛虫の習性から「前進あるのみ」を理想として、その象徴を前立てにしたところが戦略家の成実らしい。そして小十郎は、お札の前立て。智将・小十郎が神を崇(あが)め、神だのみとしたところが興味深い。

ドラマでは、それぞれの役柄や体型に合わせて甲冑を作ったのだが、この前立てには特に念を入れた。成実の兜に付く毛虫は、その太さや曲がり具合を製作スタッフと演出家が何度も話し合って決めていったという。小十郎のお札も兜とのバランスを見ながら2 回作り直したそうだ。

政宗の弦月の前立ては、甲冑とのバランスがポイントだ。仙台博物館に伊達政宗が着用した本物の甲冑が所蔵されているが、渡辺謙さん用の甲冑は体型に合わせて、それより胴の長さを5cm伸ばした。ほかにも4 か所を変えて作り、そこに最適な長さの弦月の前立てを付けた。