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  3. 第3位 龍馬伝 -エピソードで振り返る! 人気大河「ベスト10」-

エピソードで振り返る! 人気大河「ベスト10」(「あなたの好きな大河ドラマ」投票結果より) 第3位 第49作 龍馬伝 2010年(平成22年)

エピソード2 新しい試み

豪快、大胆、斬新…出演者、スタッフ、すべてが一丸となって取り組んだ「龍馬伝」の撮影はチャレンジの連続だった。

生々しい実感を伴う映像作り

歴史上の人物を「すぐ隣にいる人物としてとらえる」という演出方針を打ち出したチーフ演出の大友啓史ディレクター。彼らが汗まみれ、泥まみれになって格闘したであろう日々を追体験するかのような撮影手法は、具体的には俳優の演技を途中で分断せず、ひたすらカメラを回すというスタイルだった。

福山雅治さんが「とにかく体を使ってやっています」といえば、岩崎弥太郎役の香川照之さんも「これほど特殊な撮影は初めてです」と受ける。2人の言葉は他の出演者やスタッフすべての思いを代弁しているといってもよさそうだ。場面によっては泥まみれ、汗まみれ。水、泥、ほこりや土煙を演出するコーンスターチも大量に消費された。長時間にわたる撮影に疲労がピークに達することがしばしば。それでも全員が「映像を見たとき、ゾクゾクと興奮した」と納得。臨場感あふれる映像が説得力を増した。

さまざまな工夫でリアルさを追求

スタジオで撮影された映像が、まるで屋外で撮ったかのように見える。それが「龍馬伝」の特徴だった。なぜ、それが可能になったのか。たとえば建物の外のシーンを撮る場合、スタジオの天井に据え付けられた照明が映らないようにするため、カメラの動きやセット作りが制限されてしまっていた。そこで、「龍馬伝」の撮影の際には、スタジオの天井に青いビニールシートを張り巡らせたのだ。青いシートごしの照明が自然光のように映るだけでなく、動きに制約がない分、演技もさらに大きくのびのびとしていくという好循環を生んだ。

人物デザイン

大河ドラマで初めて導入されたのが“人物デザイン監修”という仕事。衣裳、かつら、小道具など、登場人物のビジュアル作りを一手に引き受けたのは、ビューティーディレクターの柘植伊佐夫さん。リアリティーを追求するとともに、役柄やストーリーをいかにビジュアルに反映させるかといった工夫が成された。

登場人物ごとに、きめ細かくかつらの形、大きさ、着物の色、メイクを決めていく。 画面に映し出された瞬間、土佐の照りつける日ざしの中に育った人物だなとわかったり、アイライン一つで人物のキャラクターまで表現する。初期の岩崎弥太郎の衣裳の汚さはいうまでもなく、歯の欠けたメイクなど、強烈な印象で、その人となりから背景までをも表現するビジュアルを造形していった。