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  3. 第1位 義経 -エピソードで振り返る! 人気大河「ベスト10」-

エピソードで振り返る! 人気大河「ベスト10」(「あなたの好きな大河ドラマ」投票結果より) 第1位 第44作 義経 2005年(平成17年)

エピソード2 名場面続々

さまざまな伝説が残る物語とあって、名場面も数え切れないほど。ドラマでは期待に応えて、それらを再現してみせた。

弓の名手・那須与一登場

一の谷の戦いで義経の奇襲戦法に敗れた平家が陣を敷いた屋島。この屋島の戦いで名高いのが弓の名手・那須与一(今井翼)が、沖に逃げた平家の小舟に掲げられた日輪の扇を射たというエピソード。那須与一を演じたのが、義経役の滝沢さんとユニットを組む今井翼さんということで、大いに話題を集めた。

乗馬と弓を特訓して撮影に臨んだ今井さん。このとき滝沢さんは、今井さんが弓を引いている姿をひそかにカメラで撮影していたとか。ロケが終わり、家に帰った今井さんのパソコンに写真が届いていて感激したそうだ。

一方、平家の小舟で扇の的を掲げていたのは義経の妹・能子で、演じたのは後藤真希さん。何枚もの着物を重ね、かつらを着けてのロケ。それも真夏の三浦海岸とあって、相当過酷だったと思われるのだが、「不思議なことに『スタート!』の声がかかると、能子になりきってしまい、全然気になりませんでした」と、プロフェッショナルな発言。りんとして美しい能子を演じきった。

紅葉に舞う「しずやしず」

鎌倉に送られた静御前(石原さとみ)を襲う試練。産んだばかりの義経との子を殺され、その悲しみの中、鶴岡八幡宮の落慶の席で舞を披露。それが「しずやしず」だ。実は『義経記』や『吾妻鑑』では、舞を披露した後に子が生まれ、由比ヶ浜で殺されるという流れになっている。しかし、ドラマではあえて順序を逆にした。それによって静の悲劇性を高めるとともに、奈落の底から自分を奮い立たせて、源頼朝(中井貴一)の前で踊ってみせる。そんな「女気」を見せることが狙いだった。

悲劇を乗り越え頼朝や北条政子(財前直見)にプロの踊り手としての舞を披露する。そんな難しい「しずやしず」を見事に舞ってみせた石原さとみさんは、「この日のために1年以上、がんばってきたんだというくらいの達成感がありました」と、充実した表情で語っていた。見事な紅葉に染まった舞殿のセットに映える白の衣裳が、いちだんと静の悲劇を強調していた。

もののふの原型・安宅の関

歌舞伎十八番「勧進帳」でおなじみ、義経主従の絆の強さを描いた「安宅の関」のエピソードも、再現された。

逃避行を続ける義経主従の前に立ちはだかった難関・安宅の関。今まさに通り抜けようとしたそのとき、関を守る富樫泰家(石橋蓮司)に呼び止められてしまう!スリリングな展開で、とっさに弁慶が打って出た大芝居は、主君の義経を錫杖(しゃくじょう)で打ち据えるというもの。それを見た富樫が通行を許可するのだが、実は富樫は義経一行だということを見破っていた。そのうえであえて見逃したのだ。

滝沢さんは「石橋蓮司さんの演じた富樫は迫力があって怖かったので、本当にばれてしまうのではと緊張しました」と話し、「だからこそ、最後に富樫の涙を見たときは感動しました」と、名場面ならではの展開を実感していた。石橋さんも「日本人の心、武士の情の原型ともいえるシーンであり、あの時代の社会というものが凝縮されている場面でしたから、非常にやりがいがありました」と話していた。