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大河ドラマの人気主人公特集 2 庶民の英雄 豊臣秀吉

大河の主人公に二度以上抜てきされた栄えある歴史上のヒーローとは? また、その人気の秘密は? 同じ人物を主人公に描いた作品を振り返りながら、その違いや魅力に迫る。

  • 第3作 太閤記 1965年(昭和40年)
  • 第35作 秀吉 1996年(平成8年)

主人公比較 ヒーロー像から主演俳優まで

無名の新人を抜てき!

「太閤記」では、主演の秀吉役を緒形拳、そして信長役に高橋幸治と、どちらも劇団に所属する若手の舞台俳優を抜てき。歴史上の英雄というより、現代人と同じような営みを送る等身大の人物像を描き出してみせた。

緒形拳の秀吉は人なつこい笑顔の中に、したたかさや弱さ、情熱を感じさせ、その人間味あふれる演技で視聴者を魅了。妻・ねね、母・なかとの家族愛、柴田勝家や前田利家、明智光秀、佐々成政との出世競争をいきいきと演じた。対照的だったのが、静かなたたずまいの中に内面の冷たさを感じさせた信長だ。「動」の秀吉とともに人気を二分した。

ドラマは少年時代の秀吉からスタート、吉川英治の原作『新書太閤記』にはなかった天下統一から、天下人としてその生涯を閉じるまでが描かれた。

型破りでエネルギッシュな秀吉

初登場シーンから鮮烈な印象を与えたのが「秀吉」で竹中直人が演じた秀吉だ。真っ黒に日焼けしたふんどし姿の男が、泥大根をくわえて逃げまどうシーンは、コミカルでいながらすさまじいエネルギーを感じさせた。

竹中自身、「台本を読んで感じたのは秀吉の元気の良さ」と話し、その印象のままロケに臨んだという。あとは現場で泥まみれになって動き回っているうちに「この役をつかめた」と思えたそうだ。そこからがぜん、テンションが上がり、型破りでいながら人たらしの魅力を存分に発揮する秀吉が誕生した。

ドラマは秀吉の最期までは描かず、おねのために催した花見の宴が開けた翌朝、桜の幹にもたれて目覚めた秀吉が、夢を追い、夢に生きた日々を振り返るところでフィナーレを迎えた。

作品の特徴 視点、見どころ、個性...

ドキュメンタリーの迫力も

「太閤記」第1回の冒頭、新幹線が走る映像が流れた。時代劇に現代の映像という大胆な試みは、演出を担当した吉田直哉のアイデアだった。数々のドキュメンタリーの名作を手がけてきた吉田は、ドラマの中で石垣の組み方の解説を入れたり、ヘリコプターを使って大規模な合戦シーンを収録するなど、斬新な手法を多数取り入れ、テレビドラマの新境地を開いた。

また本能寺の変が近づくにつれ、NHKには「信長を殺さないで」の嘆願が殺到。信長が本能寺で自刃する回は、当初の予定より、2か月も延期された。

サラリーマン出世物語

心の機微を見抜く術に長け、奇想天外な発想を繰り出しては見事に問題解決を図る。次々と手柄を立てて出世していく秀吉のサクセスストーリーは痛快だった。

また市原悦子が演じた母・なかとの百面相合戦、妻・おね役の沢口靖子とのコミカルなかけ合いなど、コメディータッチのホームドラマ的要素もたっぷり。

カリスマ的なトップの信長、ライバルである明智光秀との対立、弟・秀長の堅実な実務家ぶりなど、企業戦士の仕事ぶりまで描かれ、現代人にも親近感を抱くことができるサラリーマン出世物語となった。

こんなエピソードも

緒形・高橋コンビが再び!

緒形拳と高橋幸治が、再び秀吉役と信長役で登場した大河ドラマが第16作「黄金の日日」(1978年)だ。このときの秀吉は、「太閤記」とは別人のような悪役ぶりで注目を集めた。

流行語が誕生!

秀吉が信長に向かって右手を挙げて自信満々に告げる「心配ご無用!」は、この年の流行語になった。同じく、信長が秀吉に返す「出過ぎじゃ」も一部で人気を集めた。

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