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大河ドラマの人気主人公特集 5 悲劇の若武者 源義経

大河の主人公に二度以上抜てきされた栄えある歴史上のヒーローとは? また、その人気の秘密は? 同じ人物を主人公に描いた作品を振り返りながら、その違いや魅力に迫る。

  • 第4作 源義経 1966年(昭和41年)
  • 第44作 義経 2005年(平成17年)

主人公比較 ヒーロー像から主演俳優まで

歌舞伎的演出で描いた義経像

時代劇で美男が演じる役の筆頭が源義経。第4作「源義経」では、当時、市川新之助(現・團十郎)、尾上辰之助(早世して三代目松緑を追贈)と並び、「三之助」ブームを巻き起こした尾上菊之助(現・菊五郎)が史上最年少23歳の若さで主役を演じた。ちなみにこの記録は第44作「義経」の主演・滝沢秀明(当時22歳)によって破られることとなる。

歌舞伎界の貴公子が主役を演じたことから、歌舞伎的な演出が随所でなされ、悲劇のヒーローを格調高く描いた本作。義経は、平家を滅亡へと追い込む軍事的な才能にあふれる一方、政治的な知識には欠けた人物とされ、兄に追討される悲劇を招いていく…。

心やさしい若武者を好演

悲劇のヒーローとして描かれることの多い源義経の、武将としての絶頂期にスポット当てた作品。親子、兄弟、主従の絆をコンセプトに描かれ、平清盛を父のように慕いながら、亡父の敵と知って苦悩する姿や、兄・頼朝に家族としての愛情を求め、拒絶される悲しい運命が描かれる。

義経を演じたのは人気絶頂のアイドル、タッキーこと滝沢秀明。原作の宮尾登美子が思い描いた「人恋しい、甘えん坊の義経像」をさわやかに演じ、心やさしい若武者・義経を印象づけた。

作品の特徴 視点、見どころ、個性...

新しい試み続々…

空中撮影や水中撮影、絵巻物との合成など新撮影技術を駆使。義経と弁慶が五条大橋で出会う場面は、義経役の菊之助をピアノ線でつり上げて撮影した。壇ノ浦の合戦では、フィルム撮りした実景をスタジオのスクリーンに映し出し、その前で役者が演技をするという合成技術を使用。船上のシーンということで、実写の揺れにあわせてカメラを揺らすなどの工夫もあった。

また、本作で今も語りぐさとなっているのが、緒形拳演じる武蔵坊弁慶の立往生。いわずと知れた物語の名場面だが、全身に矢を受けてもなお、目を見開いた形相のまま立ちつくす弁慶の最期は、緒形の鬼気迫る演技でより壮絶なものとして視聴者の記憶に残った。

現代によみがえる時代絵巻

映像美が見どころのひとつと言われた「義経」は、シーンやカットによっては誇張した表現をすることで見る側の印象に残るよう工夫が凝らされていた。ドラマの随所に時代絵巻のような幻想的な映像がちりばめられ、五条大橋の義経と弁慶の出会いは、桜吹雪のなか義経が軽やかな身のこなしで弁慶を翻弄する美しいシーンとなった。また、石原さとみ演じる静御前が頼朝の前で「しずやしず…」と謡い舞うシーンでは、燃えるような紅葉、ドラマのクライマックスとなる壇ノ浦の戦いでは金粉を用いるなど、ドラマチックな演出が話題を呼んだ。

こんなエピソードも

共演をきっかけにロマンスも

義経の恋人として知られる静御前を演じたのは東映の看板女優だった藤純子(現・富士純子)。菊之助との共演は、天下随一の美男美女ともてはやされ、2人はドラマがきっかけで7年後に結婚。藤は芸能界を引退し、世間を驚かせたが、1982年に女優復帰した。また、第31作「琉球の風」では娘・寺島しのぶと親子共演を果たしたほか、息子の当代菊之助は第39作「葵 徳川三代」で豊臣秀頼を演じており、一家そろって大河ドラマへの出演経験を持つ。

アイドルが夢の競演!?

人気絶頂のアイドル・滝沢秀明が主演を務めた「義経」。“タッキー&翼”で滝沢とユニットを組む今井翼も那須与一役でドラマに登場した。さらに、義経の異父妹・能子(よしこ)役で、屋島の戦いで与一が射抜いた扇を掲げたのは、元モーニング娘の一員として人気を博した後藤真希。また、義経を愛する2人の女性、静御前役に石原さとみ、うつぼ役を上戸彩が演じるなど、フレッシュな顔ぶれがドラマを彩った。

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