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謙信の言葉「天地人」 信長のセリフで登場!

「猿、天地人という言葉を知っておるか」

激動の戦国時代、上洛に向けて快進撃を続けていた武田信玄が陣中で没した。「3年間は喪を秘す」というのが信玄の遺言だったが、その死は日を経ずして各地の戦国武将たちの知るところとなる。

織田信長もそのひとりだった。そして冒頭のセリフとなる。信長は続けて「天の時、地の利、人の和……いにしえよりこの3つが揃った武将だけが天下を収めることができると言われている」と藤吉郎(のちの秀吉)に語りかける。信玄ではなく、自らにその時が巡ってきたことを敏感に感じ取った瞬間だったのかも知れない。

ドラマでは信長のセリフで登場した「天地人」だが、タイトルの由来は上杉謙信の伝記『北越軍談(*)』の中の謙信の言葉(謙信公語類)からきている。

*上杉謙信、景勝、上杉家の家臣などの軍記物

「輝虎(謙信)公曰く。天の時、地の利に叶(かな)い、人の和とも整いたる大将というは、和漢両朝上古(じょうこ)にだも聞こえず。いわんや、末代なお有るべしとも覚えず。もっともこの三事整うにおいては、弓矢も起こるべからず、敵対する者もなし」

大将というのは「天・地・人」の3つの条件が揃うことが理想だが、そんな人物は日本や中国の歴史どころか神話の時代にも聞いたことがない。もっとも3つの条件が揃うようなら、戦争も起こらないし、その大将に敵対する人物も現れないだろうと語っているのだ。

この謙信の言葉には、さらに語源があり、2300年前の孟子の教えからきたと言われている。謙信に仕え、薫陶を受けた直江兼続は、「義と愛」とともに「天の時、地の利、人の和」という言葉も深く心に刻み込んだのではないだろうか。

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