トップ防災特集“3つの約束”で「もしも」の備え

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毎年9月1日は防災の日。「もしも」に備えての準備はしっかりできていますか?
用意しておきたい防災グッズから、家族と話し合っておきたいこと、備蓄を使ったおいしいレシピ、災害時に役立つ知識までご紹介します。

話し合っておきたい3つの約束

突然の大地震。皆さんは「もしも」の時にとるべき行動や集合場所、連絡方法を家族や大切な人と話し合っていますか?

もしもの時に備えて、決めておきたい約束は次の3つです。

  • ◎地震の時どう動く?
  • ◎どこで会う?どう逃げる?
  • ◎どう連絡を取り合う?

今度、時間のあるときに・・・なんて言わずに、今日にでも話してみましょう!

地震発生時は「3ないエリア」に移動せよ!

地震発生時の原則は、物が「落ちてこない・倒れてこない・移動しない」の「3ないエリア」に移動して揺れが収まるのを待つこと。慌てて外に出ようとすると、落下物やガラスの破片でけがをする可能性もあります。

地震が起きたら、「とにかく机の下に隠れる!」とお考えの方も多いかもしれませんが、実はこれ、正解とは限りません。

例えば、家のダイニングテーブルはどうでしょう。すぐそばの食器棚が倒れてきてテーブルが押しつぶされてしまうかもしれません。その重みに耐えられたとしても、机から出る際に、食器やガラスの破片で足をけがする可能性もあります。

オフィスならパソコンやコピー機、書類がぎっしり詰まったキャビネットなど、重みのあるものが多いため注意が必要です。外出などで屋外にいるときは、公園など広くて安全な場所に移動。その余裕がなければ、すぐ近くの新しい鉄筋コンクリートのビルに逃げることも1つの方法です。そうして、揺れが収まったら、

  • ◎出口を確保
  • ◎火元を確認
  • ◎窓ガラスや大きな家具、家電から離れる

の3つを行い、さらに安全な場所に移動しましょう。この時に気を付けたいのは、すぐに家族に連絡をとろうとしないこと。揺れが収まっても、その後に建物の倒壊や、火災、津波などが発生するかもしれず、あなたからの電話をとろうとして、家族が逃げ遅れてしまう可能性もあります。まずは、家族を信じて自分の命を最優先に行動しましょう。

集合場所は時間と場所をピンポイントで!

2つ目に決めておきたいのが、離ればなれになったときの集合場所。ここで大事なのは、「集合する時間と場所を細かく決めること」です。
地震発生時に、家族や大切な人と一緒にいるとは限りませんから、必ず決めておきましょう。

災害時は、避難所や避難場所に想像を超える人が集まります。「集合場所は●●小学校」などとアバウトにせずに、「●●小学校の運動場にある鉄棒の前!」というように、ピンポイントで決めることが大事です。また、津波などでその場所が浸水している可能性もあります。さらに安全な集合場所をもう1か所、決めておくと安心です。

約束の場所に何時に集まるかも決めておきましょう。例えば、「9時と15時に●●小学校の鉄棒の前。20分過ぎても集まらなかったら、次の時間に集まる」といったルールを決めておけば、その場所で何日間も待ち続けることや、行き違いを防ぐことができます。
※詳しくは NHK そなえる防災「第3回 家族で決めておくべきこと」

集合場所や避難所までのルートは昼と夜2回の確認が鉄則

集合場所が決まったら、もう安心・・・ではありません!自宅や勤務先、学校など、ふだんいることの多い場所から、集合場所や避難所までのルートを昼と夜の2回、実際に歩いて確認しましょう。途中に危険な場所はないか、トイレや休憩できそうな場所はあるかなどをチェックします。ルートが1つだけでは、火災や建物の倒壊などで通れなくなってしまう可能性があるので、複数のルートを確認しておきましょう。

複数の連絡手段を用意しておく

3つ目は連絡方法です。
災害時には、ケータイの音声通話が繋がりにくいことはご存じですよね?そこで音声通話以外の連絡手段も覚えておきましょう。

  • ・災害用伝言ダイヤル(171) 指定した電話番号宛てに、音声で安否確認メッセージを残せるNTTのサービス。
  • ・災害用伝言板 専用テキストメッセージを残すことで安否を確認するシステム。ドコモ、au、ソフトバンクの大手キャリアは情報を相互に交換・共有しているため、キャリアが違うユーザー同士でも検索が可能です。各社のアプリがあるので、スマホの方は忘れずにインストールしておきましょう。
  • ・web171.jp スマホが壊れてしまったけどパソコンはあるというケースや、MVNOなど大手キャリア以外のスマホを利用している方は、web171にアクセスして情報を残しましょう。上記の災害用伝言板と情報が共有されています。
  • ・LINE・Twitter・Facebook 音声通話が繋がりにくい時でも、データ通信によるLINEやTwitter、Facebookなどのメッセージ機能が利用できる場合があります。これらのサービスには音声通話ができるものもありますが、1人でも多くの人が利用できるよう、メッセージを優先して使いましょう。
  • ・J-anpi 電話番号か名前を入力すると、各社の災害用伝言板および報道機関、企業・団体が提供する安否情報などをまとめて確認することができるサービス。

まとめ:非常時は誰もがパニック!だからこそ事前に決めておく

突然の災害時に落ち着いて行動することは非常に困難です。だからこそ、落ち着いて考えられるうちに、とるべき行動を頭に入れておきましょう。そして、災害時には最優先で自分の命を守ることを忘れずに。
東日本大震災を経験した赤沼ヨシさん(95)が伝えたいことも、やっぱり同じです。

赤沼ヨシさん
“おぶったり、背負ったり、連れたり、引っ張ったりしないで、逃げると教えられた。自ら本当に身軽にして逃げないと、だめでござんしょ”
証言は動画で見られます

先生のコメント

今村文彦(東北大学災害科学国際研究所所長)
いざという時には、できるはずの行動や思っていた対応がとれないことがほとんどです。これは日常と災害時の状況が違うことに加えて、災害が起きても「なんとかなる」という楽観的な思い込みがあり、前もっての準備ができないからです。今までの災害の体験者の多くの方から、「災害時の対応の仕方を事前に確認しておけば」、「備えておけばよかった」という後悔の言葉が出ています。
まずは、地震が発生してから生き残るためにすべきことを考えましょう。次に、より安全な場所への避難行動を行い、家族の安否の確認をしましょう。
さらに常日頃から、災害に関する情報や知識の収集に努め、非常時に必要な物を備蓄し、地域や職場の避難訓練に参加するなど、災害への備えを少しずつでも充実させていくことがとても重要です。ひとりひとりの意識が変わり自助ができれば、救える命が確実に増えていきます。
今村文彦(東北大学災害科学国際研究所所長)
専門分野は津波工学(津波防災・減災技術開発)、自然災害科学。東日本大震災復興構想会議検討部会、中央防災会議東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会などのメンバー。『防災教育の展開』編著、『東日本大震災を分析する』共著など。