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証言まとめ

震災現場の動物たち

被災したのは人間だけではなかった。
ペットと励まし合い、あるいは危機にさらされた動物たちの命を救う。
震災現場での人間と動物たちとの記録。

小山都美さん(63) 岩手県釜石市

愛犬と一緒に流された

岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)に暮らす小山さん。
愛犬と一緒に自宅の様子を見に戻り、2階に上がったその時、津波に襲われ、建物ごと流されてしまった。

水が引くまで、小山さんは愛犬と不安な一夜を過ごした。

水が引くまで、小山さんは愛犬と不安な一夜を過ごした。

“2階に上がったとたんに、ドボッとここまで水が
来たので、あら大変と思って(犬を)上げたんです”

髙橋通義さん(64) 宮城県名取市

海辺の養豚場に押し寄せた津波

宮城県名取市で2,000頭の豚を飼っていた髙橋さん。海から1.5キロのところにあった養豚場に、津波はあっという間に押し寄せ、飼っていた豚は一気に波にのみ込まれてしまった。

生き残ったのは60頭。なかには津波の18日目に戻ってきた豚もいたという

生き残ったのは60頭。なかには津波の18日目に戻ってきた豚もいたという

“豚でさえも18日間頑張ってね。やっぱりね、
頑張らなきゃと。
津波のあとに、へこんでばっかりいると、
負けちゃうのはしゃくだなみたいな気持ちは、
そういう中から芽生えてきている部分があります”

釜谷大輔さん(40) 宮城県仙台市

園内の動物たちに危機が迫る

宮城県仙台市にある八木山動物園。この動物園で獣医師を務める釜谷さんは、震災後、水道や電気がとまり、えさも不足するなか、動物たちの命を守る懸命な努力を続けた。

普段はやんちゃなチンパンジーも低血糖症で意識朦朧に

普段はやんちゃなチンパンジーも低血糖症で意識朦朧に

“震災の時にいろいろ苦労しましたので、
動物を見てね、癒しとかを求めて、いっときでも
そういった震災のつらい思いを忘れられる動物園に
していきたいなと思っています”

安部義孝さん(72) 福島県いわき市

水族館に残された動物を救え!

福島県いわき市・小名浜港の水族館では、津波による被害で生き物の9割が犠牲に。
生き残ったトドやセイウチなどを救うため、各地の水族館の協力によるレスキューが始まった。

津波による浸水で停電が続いたことが、被害を大きくした

津波による浸水で停電が続いたことが、被害を大きくした

“水族館というのは一種の水処理工場みたいに
なっていて、魚や水の中に住む生物の環境をつくるわけです。
ですから、まさに電気がないということは致命的でした”

松村直登さん(53) 福島県富岡町

誰もいなくなった町で
動物たちの世話を続けた

原発事故の影響で住民が避難した町に、両親とともに残った松村さんは、飼い主のいなくなった犬や猫たちの存在に気づく。その日から彼は町中を回ってえさや水をやり始めた。

行政機関などがペットの保護に乗り出すまで、松村さんの活動は続いた。

行政機関などがペットの保護に乗り出すまで、松村さんの活動は続いた。

“ペット、家畜、すべての動物は、もうみんな
人間のやった原子力発電所災害の被害者。
人間だけが避難民になったわけじゃない。
家畜も動物も全部、避難民よ”

大和田恵美子さん(64) 岩手県大船渡市

犬と励ましあい救助を待った

大和田さんは愛犬とともに津波にのみ込まれてしまった。避難した家屋の2階で両足をがれきに挟まれ身動きがとれなくなった彼女は、愛犬と励ましあいながら、救助を待ち続けた。

救助を待つ間、何度も愛犬に話しかけ続けたという

救助を待つ間、何度も愛犬に話しかけ続けたという

“どっちもずぶぬれなんだけど、ワンコとこう
しながら、まず頑張ろう、頑張ろうって。
ワンコも一緒だったからよかったんです”