冬もおいしいキノコ。その中でも今回はマッシュルームに注目する。大正時代に日本に入ってきたマッシュルームには「西洋まつたけ」という別名もあった。なぜ、西洋“まつたけ”というのか?調べていくと、意外な共通点と知られざる魅力が見えてきた!さらに、マッシュルームの豊かな香りを簡単に引き出せる驚きの調理法や、塩と加熱だけであふれ出るマッシュルームのうま味を味わいつくすことができる究極の料理もご紹介!
マッシュルームは昔「西洋まつたけ」だった!?
マッシュルームが日本で初めて栽培されたのは、大正時代。その時マッシュルームには、「西洋まつたけ」という別名がつけられました。いったいどうして“まつたけ”なのか?マッシュルームとまつたけを見比べてみると・・・“かさ”の部分の、独特の丸い形・・・なんとなく似ています。実は、この2つ、かさが開ききらない、まだ未成熟な“子ども”であるうちに収穫することが多いのが大きな共通点なのです。

ふわふわさくさく生マッシュルーム
一般的に売られているしいたけやなめこなどのきのこは、“かさ”が開いています。これは、かさの下から胞子を飛ばすことができる、いわば“おとな”きのこです。一方、マッシュルームは“子ども”のうちに収穫されることが多いきのこ。この特徴を活かしたマッシュルームの楽しみ方が、「生で食べる」こと。管理された環境で栽培されており、かさが閉じていてごみや菌が付きにくいことから、新鮮な物は生でも食べることができます。ふわふわだけど、かむとさくさくとした不思議な食感が味わえます。オリーブオイルや少量の塩を絡めるのもおすすめです。
※まつたけやかさの開いたマッシュルームは一般的なキノコ同様、生では食べないでください。



豊かな香りをかんたんに引き出す!西洋まつたけおにぎり

実はマッシュルームには、まつたけに多く含まれる香り成分「マツタケオール」が含まれています。そのマッシュルームの香りを引き出すポイントは、「適度な加熱」と「酸素」です。マッシュルームを入れてごはんを炊きこむのではなく、炊きあがったごはんでマッシュルームをくるむようにおにぎりを作ると、ふんわりとした上品な香りを楽しめます!
[材料]
- マッシュルーム 1個
- 塩 ひとつまみ
- あつあつのごはん 40g
[作り方]
- マッシュルームの軸を取り、“かさ”を6等分くらいにちぎる
- 塩をふり、約5分おく
- あつあつのごはんをラップに取り、2.を包む
★ポイント:ご飯が冷めていると、香りが出にくくなってしまいます - 3~5分蒸らし、マッシュルームに熱を伝える
※時間がたつと香りが逃げたり、マッシュルームの色がごはんに移たりするので、早めにお召し上がりいただくのがおすすめです。
スープが湧き出る!?うまみたっぷりマッシュルーム・スープ

マッシュルーム専門料理店のオーナーに教わった「究極の料理」。それは、塩をふって熱するだけで、かさの内側にみるみるとうまみたっぷりのスープが湧き出す、ふしぎで濃厚なマッシュルーム・スープでした。
[材料]
- マッシュルーム 1個
- 塩 少々
[作り方]
- マッシュルームの軸をきれいに取って、かさの内側を上に向ける。
★ポイント:軸を軽く折るように取るのがコツ。きれいに取ると、スープが出やすくなります。 - 塩をひとつまみまぶし、約5分おく
- 250度(または1000W)のオーブントースターで約5分加熱し、かさの内側にスープがたまったらできあがり
★ポイント:「5分」はあくまで目安です。加熱しすぎに注意してください!
※スープが出る量には個体差があります。
※スープは出ませんが、取った軸も一緒に加熱すれば、おいしくお召し上がりいただけます。
※分量は1個分ですが、いくつかまとめて調理することも可能です。
※取り出す際は、やけどに注意してください。
口いっぱいに広がる幸せ!絶品レアマッシュルーム・フライ

生でも食べられる利点を活かし、口の中にジューシーなうま味が広がるレアマッシュルーム・フライ。調理のポイントは、「高温で短時間」揚げること!1964年の東京オリンピックの選手村にもマッシュルームを納めたという、高橋久一さんが教えてくれました。
[材料]
- マッシュルーム 6個
- A
小麦粉 大さじ3(27g)
水 35ml - 乾燥パン粉(細かくしたもの) 30g
- 油 適量
[作り方]
- Aを混ぜ合わせてバッター液を作り、マッシュルーム全体につける。
- 1.にパン粉をまんべんなくつける。
- 約200℃に熱した油で30~40秒ほど揚げる。
★ポイント:高温&短時間で揚げることで、ジューシーな“レア”マッシュルームに!
※1個約13gのマッシュルームを使用したレシピです。大きさにより揚げ時間を調節してください。
※ソースなしで食べる場合は、1.の前にマッシュルームに塩をまぶし、5分おいてから調理すると、おいしくお召し上がりいただけます。
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