今回はサビに注目。実験すると、なんとわずか数分でサビ始めてしまう鉄。鉄よ、なぜそんなにサビるのか?巨大製鉄所に潜入し鉄がサビるメカニズムを調べていくと、知られざるサビの真実が見えてきました。さらに、サビにくいはずのステンレス製キッチンシンクがなぜかサビる、謎の現象「もらいサビ」も解明。台所にあるアレを使って簡単にサビを落とすガッテンワザ、サビを防ぐガッテンワザもご紹介。もうサビは怖くない!
なぜ鉄はすぐサビる? 実は元々サビていた!
フライパン、ハサミ、自転車のチェーンなど、私たちの生活を支える鉄製品。でも、放っておいたらいつの間にか「サビ」ができていた経験、ありませんか?私たちが普段目にするサビは、水の中で鉄と酸素が反応した酸化鉄のこと。実験してみると、水さえあれば、たった5分でサビが見え始め、1時間後にはくっきりとサビができていました。

(サビ止めを剥がした鉄フライパンを使用)

なぜ鉄は、こんなにもすぐサビるのか・・・そこで、日本の産業を支える巨大製鉄所に潜入、鉄が生まれる壮大な現場の撮影に挑みました。そこで鉄の原料として使われているのが、鉄鉱石です。実はこの鉄鉱石、鉄がサビた状態のもの。鉄はサビた、つまり酸素と結合した状態の方が物質として安定しており、常にサビようとしています。なので、鉄は、酸素と結合を仲介する水があれば、元の姿に戻ろうとしてすぐにサビてしまうのです。(※高温状態などでは水を介さずにサビることもあります)



おうちでカンタン! 身近な「酸」でサビ落とし
どうやったらサビは落とせるのか?サビの研究者たちのサビ落としを見せてもらうと、「塩酸」を使っていることが判明!酸がサビを溶かし、浮かせてくれるのです。ただし、塩酸は素人が扱うには危険。そこで、身近で安全な酸としてご紹介するワザが、ケチャップを使うことです。
用意するもの:ケチャップ(お酢やレモン汁でも可)、ブラシ、ラップ、歯磨き粉
- サビた部分にケチャップを塗ります。
- 乾かないようにラップをして30分放置。
- 後はブラシでこするだけ!このとき歯磨き粉も使うと、中に含まれる研磨剤がサビをよく落としてくれます。
- 酸はサビだけでなく鉄も溶かしてしまうので、最後に、酸が残らないよう必ずしっかりと洗い流してください。





どうしても落ちない頑固なサビには、市販のサビ落とし剤や研磨剤を試してみてください。
サビを防ぐポイント とにかく水気を取り除く!
そもそもサビは作らないに越したことはありません。そのためには、鉄製品を洗った後、しっかりと水気を拭きとることが大切です。ほんのちょっとの拭き残しもサビの元になることがあるので、わずかな水気もきちんと取り除くのがポイント。そのためのワザをご紹介します。
- 「お湯で洗う」:水は温度が高いと蒸発しやすいので、水分が残りにくくなります。
- 「火にかける」:フライパンなどは、洗った後に空焼きすると、水をしっかりと飛ばすことができます。
- 「新聞紙に包んで保管」:長い間使わない鉄製品は新聞紙に包んで保管すると、新聞紙が湿気を吸ってくれて、鉄に水がつきにくくなります。


