2017年5月25日(木)

注目の対局 結果は

有馬
「中学3年生のプロ棋士、藤井聡太(ふじい・そうた)四段。」

桑子
「デビュー以来、公式戦での連勝を『18』までのばしています。
そして今日(25日)は、19連勝目をかけた対局。
どうなったのでしょうか。」

藤井四段14歳 「19連勝」をかけて…

14歳の藤井聡太四段。
午前9時45分ごろに対局室に入ると、まずは、かばんを押し入れに。
19連勝がかかる今日も、落ち着いた様子です。

対する近藤誠也(こんどう・せいや)五段は20歳。
今年度はこれまで、4戦負けなしです。
午前10時、一礼をして対局が始まりました。

栗原リポーター
「大盤解説が行われている会場です。
藤井四段、19連勝なるのか。
大勢のファンが対局の行方を見守っています。」

ファンは…。

「仕事を終わって駆けつけた。
連勝記録がどこまで続くのかなと。」

「終盤のすごいところを見たい。」

対局は、藤井四段が自在に駒を進め、攻め続ける展開に。

「差し手が早い。
迷いがないですね。」

そして、今夜7時37分。
102手までで近藤五段が投了。
これで藤井四段が連勝記録を「19」に伸ばしました。

藤井聡太四段
「一手一手しっかり考えて指そうと思っていた。
難しい将棋でしたけれども終始攻め続けたのがよかったかなと。」

藤井四段は、竜王戦の挑戦者を決める「決勝トーナメント」への進出を決めました。

藤井聡太四段
「本当に強い先生ばかりなので、(タイトル)挑戦は大きな目標だが、まずは一局一局指していきたい。
もっと強くなることを目標にしていきたい。」

19連勝!藤井四段 強さどこまで

有馬
「19連勝!勢いが止まりませんよね。」

桑子
「ここからは、会場で取材した栗原リポーターとお伝えします。」

栗原リポーター
「まずはその強さ、19連勝の軌跡を振り返りたいと思います。

デビュー戦は去年(2016年)12月、加藤一二三九段との対局でした。
その後も七段、八段といった高段者や、タイトル戦にも出た若手の実力者に挑み、勝利を重ねてきました。
戦い方も自在です。

持ち時間が5時間ある竜王戦の予選でも、10分と短いNHK杯でも勝利しています。
じっくり戦うのも、素早い判断も得意なんです。
その強さの秘密、どこにあるのか。
過去に対戦したこともある棋士にうかがいました。」

“意外な一手”に見る強さ

中村太地(なかむら・たいち)六段です。
羽生さんをタイトル戦で追いつめたこともある実力者です。
1月、藤井四段と非公式戦で対局し、敗れました。

中村太地六段
「僕がどんどん攻めていったが、うまくいなされてしまって、最後は一瞬の反撃で決められてしまった。
すごい方だと思った。」

藤井四段の強さを象徴する、一手を解説してもらいました。
3月の対局で見せた、意外な一手です。

中村太地六段
「藤井さんの方が大事な角を取られてしまいそうで、一見ピンチに思える局面なんですね。」

その「角」を動かしたのは…。

相手の「香車(きょうしゃ)」にとられてしまう場所でした。
しかし、藤井四段の狙いはその先に。

「桂馬」を打てば、相手の玉(ぎょく)を一気に追い詰めることができるのです。

中村太地六段
「角をただであげてしまって勝つという将棋は100局に1局もない。
何手も前からこの局面を想定して組み立てているのがすばらしい。
先入観がない真っさらな目で局面を捉えることができていて、派手な手が指せるというのは天才少年なのかなと。」

タイトルは?

桑子
「天才少年ですか。
実際に対局すると、その強さをまざまざと感じるんですかね。」

栗原リポーター
「こうなると、気になるのはタイトルですよね。
これまで藤井四段が勝利してきたのは、ほとんどがタイトル戦の予選でした。
この19連勝目も予選なんですが、ここまでの予選とは重みが違うんです。
『竜王戦』の決勝トーナメント進出が決定したんです!

この竜王戦ですが、賞金が4,320万円。
将棋界最高額なんです。
それだけに、竜王への道は長く険しいんです。
決勝は11人が参加するトーナメント戦です。
羽生三冠をはじめ、タイトルホルダーや強豪棋士が待ち構えているわけです。
ただ、可能性がある大会でもあります。
この竜王戦は、これまでも若手が活躍してきたんです。
例えば、藤井四段と同じ中学生でデビューした羽生三冠は19歳で、渡辺竜王は20歳で竜王になっているということで、若い棋士が活躍する大会なんです。」

桑子
「期待してしまいますね。」

有馬
「まさに下克上ですね。
まだまだ先は長いですね。」

桑子
「となると気になるのが、この連勝がどこまで続くのかですよね。」

栗原リポーター
「実はここから試練が続くんです。

来月(6月)2日には、20連勝がかかる棋王戦の予選があります。
澤田真吾六段と対局するんですが、澤田六段は今年度7戦7勝と絶好調、強敵です。
ここで勝てば、6月7日には次の大会があります。
持ち時間20分の早指しを勝ち続けると、1日で3戦対局することになる厳しい戦いです。」

有馬
「大変だけど、これを勝ち抜けば一気に23連勝!」

栗原リポーター
「23連勝となると、羽生三冠の記録を超えて歴代3位になるんです。」

桑子
「ちなみに1位は?」

栗原リポーター
「28連勝です。」

桑子
「この勢いだといけるかもしれませんね。」

加藤一二三九段に聞く

栗原リポーター
「この連勝どこまで続くのか、タイトルの可能性はあるのか?
藤井四段と最初の対局を戦った、加藤一二三九段と中継がつながっています。」

桑子
「今日、会場で見ながら解説もされていたということですが、実際にどんな対局でしたか?」

加藤一二三九段
「今日の熱戦、私は午後1時くらいの段階で藤井四段の勝ちを公に言っておりました。
今日は藤井四段、満点の指し方で、私は本当に感動しました。
特に2つの『角打ち』で圧勝したんですが、これを見て本当に感動しまして、結論を先に言うようですが、竜王戦の本選に入り、ずっと勝ち進んで挑戦者になる可能性があると考えています。」

有馬
「加藤九段が対局したときと比べて、ずいぶん勝負を積み重ねてきたわけですが、藤井四段は強くなっていますか?」

加藤一二三九段
「さすがにデビュー戦は緊張していたと思うんですが、その後、破竹の勢いで勝ちに勝っていますから、余裕も自信も出てきて、今日の勝ちが最も大きな意味のある勝ちで、内容から言ってもこれは大器で、近いうち、うまくいけば今年度、竜王戦の挑戦者になる可能性があると強く思いました。」

桑子
「となるとタイトルも期待してしまうんですが、加藤さんはどう見ていらっしゃいますか?」

加藤一二三九段
「挑戦者になる可能性があるということは、もちろん言うまでもなくタイトル獲得も夢ではないということになります。」

桑子
「加藤九段、ありがとうございました。
今日も午後1時の時点で、勝つという確信があったんですね。」

有馬
「藤井四段が勝てば勝つほど、戦う相手も強くなってくるわけですよね。
楽しみですね。」

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