2017年10月3日(火)

ふるさと納税の返礼品に異変 なぜ?

桑子
「有馬さん、『ふるさと納税』というと?」

有馬
「分厚いお肉とか、大きなカニとか、立派なメロンとか、各地の銘品・特産品が気になりますよね。」

桑子
「なにかと豪華な返礼品が話題になるんですが、今年(2017年)はちょっと異変が起きているんです。
例えばこちら、おいしそうなアスパラ。
ある自治体が、こんな感じで送ってくるはずだったアスパラガス、1キロ。
ところが、届いたのはこちら。

カレーなんです。
今、何が起きているのか取材しました。」

ふるさと納税に異変 なぜ?別の返礼品

そのカレーを受け取った、津久井克紀さんです。
各地の果物や野菜など、返礼品を楽しみに、毎年寄付しています。
今年は、北海道遠軽町の「アスパラガス」に目がとまりました。

しかし…。

津久井克紀さん
「アスパラにしては小さな入れ物で来たなと思った。」

届いたのは、手紙とカレー。
夏の低温や日照不足でアスパラガスが不作で、次の旬の時期まで待ってほしいと説明がありました。
カレーは、そのおわびの品だったのです。

津久井克紀さん
「わざわざお手紙とカレーを送ってもらって、こっちが逆に申し訳ないなと感じた。」

天候不良の影響 各地で

天候不良による、ふるさと納税の影響。
今年は各地に広がっています。

千葉県館山市の「マンゴー」です。
去年、返礼品に加えたところ、大人気となった品!

マンゴー農家
「かなりの不作、今年は。」

今年は日照不足などが影響して、実が十分に大きく育たないものが目立ち、返礼品としては出荷できませんでした。
市役所は期待していただけに、あてが外れてしまいました。

館山市役所 担当者
「(去年は)本当に数日でなくなってしまった人気商品なので、今年少し期待をしていた部分もあるが、なかなか思いどおりにならない。」

不作をチャンスに

一方、今年の不作のピンチをチャンスに変えようとした自治体もありまます。
長野県上田市のふるさと納税の返礼品、「りんご」です。

初夏に降ったひょうで、実に傷がついてしまいました。
ほとんどが売り物にならず、農家は苦境に立たされています。

りんご農家
「これが全部、傷です。
ショックで泣いている方も。
誰かに背中を押してもらわないと動けない状態。」

そこで上田市が考えたのが、傷ついたりんごをそのまま出品すること。

上田市役所 担当者
「返礼品としていいのか、だいぶ検討した。
農家を直接的に支援できないかと。」

あえて「訳あり品」で、寄付を募ったのです。

“訳あり品”が心つなぐ

東京都内。
そのりんごを返礼品として選んだ、石坂さん夫妻です。

石坂咲子さん
「(りんごが)こんなに傷んでしまって、農家も本当につらいだろうなって。」

決め手は、ふるさと納税の専用サイトにありました。
上田市は、りんごの被害について、写真付きで長い説明文を掲載。

“農家は大変落胆しています。”

“応援してください!”

農家の声をありのままに伝え、支援を訴えたのです。

石坂咲子さん
「わかりやすかった。
こんな大きなひょうが降ったと、小さなりんごの実はひとたまりもないと理解できた。
協力したいのは今年だと思った。」

上田市への寄付の申し込みには、応援のメッセージがたくさん添えられています。

“農家に頑張ってほしいです。”

“ひょうの傷なんて気にしません!”

上田市役所 担当者
「本当にうれしい。
農家にとっても来季に向けての活力になってもらえれば。」

“本来の意義”考えて

ふるさと納税をめぐっては、返礼品の自治体間競争が過熱。
総務省が、高額な品物などについて見直しを要請する事態となっています。
専門家は、ふるさと納税の本来の意義を改めて考えるべきだとしています。

神戸大学大学院、保田隆明准教授
「被災地支援みたいな形でふるさと納税は非常に広く活用されているが、大きな被害でなくても、目を向けてみれば一つ一つの農家が困っている状況はある。
困りごとを助ける・解決するための一つの制度という捉え方は、今後どんどん広がるべき。」

ふるさと納税に異変

有馬
「『訳ありりんご』、僕もそんな訳があるなら応援したくなりましたね。」

桑子
「そう思われる方も多いですよね。
今回は不作がきっかけではありましたが、ふるさと納税の本来の意味・意義がよく分かりましたね。
寄付するほうと受けるほうのコミュニケーションが大切だということですよね。」

Page Top