2018年2月1日(木)

札幌 共同住宅火災で11人死亡

有馬
「札幌市の共同住宅が全焼し、11人が亡くなりました。」

桑子
「身寄りのない人や経済的に困窮した人たちが犠牲になった火事。
何があったのでしょうか。」

深夜の出火 その時何が

激しい炎と黒煙。
昨夜11時40分頃、札幌市東区の共同住宅「そしあるハイム」で火災が発生しました。
放水のさなか、火の粉が…。

近所の人
「一気に火柱が20メートルぐらい上がった。」

火が消えたのは、半日がたった今日(1日)昼前。
焼け跡から、11人の遺体が見つかりました。
消防によりますと、食堂や厨房などがある1階の中央付近が激しく焼けていたということです。

現場の建物から、高齢の男女2人を救助した男性です。

男女2人を救助した人
「おばあちゃんを思いっきり引っ張り出した。
そうこうしているうちに2階の部屋から、やっぱりおばあちゃんの声で『助けて助けて』って声はあったけど、その声も1分もしないうちに聞こえなくなったのかな。
その声が今でも耳に残ってるね、その声が。」

現場となった建物は

現場は、札幌駅からおよそ1.5キロ。
建物は築50年以上。
木造モルタル一部3階建てで、生活保護受給者などの自立を促す共同住宅として使われていました。
2階には1人部屋が並び、1階には居室のほか、食堂や共有スペースもありました。

以前は「旅館」として届けられていましたが、平成16年に、入居者と賃貸契約を結んで食事を提供する「下宿」に変更されています。
消火器などは備えられていたものの、スプリンクラーの設置義務は無かったということです。
家賃はひと月3万6,000円。
入居者は16人で、少なくとも13人は生活保護の受給者だということです。

北海道警察本部は、安否が確認できていない入居者、11人の名前や年齢を発表。
今後、DNA鑑定を行うなどして、犠牲者の身元の特定を急ぐことにしています。

暮らしていた人たちは

安否が確認できていない入居者の1人、白府幸光さんです。
15年ほど前、交通事故で体が不自由になり、共同住宅で暮らすようになったということです。

現場を訪れた、知り合いの男性は…。

白府さんの知り合い
「物事頼んだら何でもやってくれる。
助かってもらいたい。
まだまだ60過ぎたばかりだから。」

火災があった集合住宅のすぐ近くには、同じ事業所が入居をあっせんしているアパートがあります。
そのアパートに住む、山田儀則さんです。
かつては、路上生活をしていました。

山田儀則さん
「つらかった、どうしようかなって。
食べ物もないし、水ばっかり飲んでました。
家族はどこかにいってしまって、どこにいるかわからない。」

5年前、行政にすすめられて入居。
今は、新聞配達をしています。
火災があった共同住宅の入居者には、家族のような親近感を抱いていたといいます。

山田儀則さん
「部屋に入っていろいろな話をしたり、テレビをみたり、食べ物をもらったり。
みんな優しい人、いい人。
何と言ったらいいか…悲しいと思いますね。」

共同住宅を運営する自立支援事業所の代表は…。

『なんもさサポート』 藤本典良代表
「本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。」

同業者“ひと事ではない”

札幌市内で同じような自立支援の事業を行っている、別の団体です。
運営するアパートには現在7人が入居しています。

NPO法人 自立支援事業所 サンレジデンス 飯高喜久夫所長
「生活保護者が4人。
年金受給者で年金ギリギリの方が3人。」

家賃は、ひと月3万6,000円。
食事代や光熱費などを合わせると、8万円余りかかります。

NPO法人 自立支援事業所 サンレジデンス 飯高喜久夫所長
「40歳女性で、脳梗塞で手足が不自由。
ゆっくりは歩ける。
ただ、食事も自分では作れない。」

ほかにも、独り暮らしで市営住宅から入居を断られた高齢の女性や、病気のため1人で暮らすのが難しくなった人などが身を寄せているということです。

NPO法人 自立支援事業所 サンレジデンス 飯高喜久夫所長
「制度の中で、宙ぶらりんになった状態。
どこも助けてくれる場所がない。
行き場所が…。」

ギリギリの運営の中、防火対策の面では不安を感じることもあるといいます。

NPO法人 自立支援事業所 サンレジデンス 飯高喜久夫所長
「うちだってありえると感じた。
同じことがありえるんじゃないか。」



有馬
「今回の火事で、安否が確認されていない11人の方のお名前がこちらです。」

桑子
「1人暮らしで、身寄りがない人がほとんどとみられます。
警察は情報提供を求めながら身元の確認を進めています。」

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