2018年8月17日(金)

フリマアプリに“甲子園の土”

有馬
「今やインターネットで何でも売り買いできる時代ですが、皆さん、これはどう思われますか?」

桑子
「連日熱戦が続く甲子園で、試合に負けた球児たちが涙とともにかき集める、『土』。
今、『甲子園の土』がフリーマーケットのアプリで売り出されているんです。」

ネットに“甲子園の土” フリマアプリで売買

上原リポーター
「『甲子園の土』…ありますね、『甲子園』と書いてありますね。
瓶の中に、土が入ったものが売られています。
けっこう出てますね。」

「甲子園の土」と称する品物。
「本物です」というコメントも。

「甲子園の土」と称する物が相次いで売りに出されているのは、メルカリが運営する、インターネット上で利用者どうしが品物を売買するアプリです。

上原リポーター
「値段は1,000円。
値段がつくんですね。」

中には、3,500円で売れたとされるケースも…。

球児の思い出の品が…

高校球児や全国の野球少年が憧れる甲子園。
試合に敗れ去って行く球児たち。
涙とともに、時にはすがすがしく、土を集めます。

土には火山灰を含む鹿児島の黒土や水はけの良い京都の砂などが混ぜられていて、大会期間中、日々、黒土や砂が補充されています。
これまで多くの球児たちが、甲子園の土を思い出とともに持ち帰っていきました。

元高校球児は

上原リポーター
「甲子園で日本一を目指して戦った選手にとって、甲子園の土とはどういうものなのでしょうか。」

一昨年(2016年)、夏の甲子園に出場した椙浦光(すぎうら・ひかる)さんです。

椙浦光さん
「後輩たちからもらったメッセージと一緒に、いつもここに飾ってある。」

小学生のころから野球に打ち込んできた椙浦さん。
甲子園は、まさに夢の舞台だったといいます。

椙浦光さん
「小さいころからの憧れの場所だったので、その土を踏んだときは涙がでるような。
忘れられない。
人生の中でも、あの景色は。」

チームは2回戦で敗退。
その時に持ち帰った土は、椙浦さんにとってかけがえのないものだといいます。

椙浦光さん
「これは普通の土なんですけど、自分の思い、3年間培った思いが全部入っている、土の中に。
自分でつかんで、自分の手で集めて、しかも夢舞台で。
だから自分にとっては一生の宝物。」

甲子園の土と称して、インターネット上で売り買いされていることについては…。

椙浦光さん
「たくさんの球児の思いがこめてある土なので、そういうのが販売されるのは、やっぱり失礼かなと思う。
お金じゃない、甲子園の土は、絶対に。
それだけは間違いない。」

なぜ売り出される?

インターネット上では、「本当に甲子園の土なの?なんとでも言える」と疑問視する声、「自分がプレーした土だから意味があるのでは」という声の一方で、「売りたい人と買いたい人がいて、誰にも迷惑かかっていないから良いのではないか」という意見も。

また、高野連=日本高校野球連盟の竹中雅彦(たけなか・まさひこ)事務局長は、「一生懸命に練習を積み重ね、大会に出場した選手だけが甲子園の土を持ち帰ることができる。金銭にかえるという考え自体が信じられないし、関わる人たちの思いをわかってほしい。」としています。

一方、「メルカリ」の運営会社には、これまでに被害や苦情の報告は入っていないということです。
「入手経路が曖昧な出品物に関しては入手経路の記載を促している」としたうえで、利用者への注意の呼びかけなどについては「コメントは差し控える」としています。

それにしても、青春をかけた球児たちが持ち帰る甲子園の土。
なぜ売り買いされるのか?
高校時代、甲子園のスタンドで声をからして応援した上原リポーター。
ある事情が思いあたるといいます。

上原リポーター
「甲子園の土、球児たちは闘いを終えて帰って来て、この土をお世話になった人たちに配るんです。
私も高校時代、応援した選手からもらった土を、思い出とともに保管しているんです。」

出品されているものを見ると…。
「出場した選手から頂いた」「先輩から頂いた」などというコメントが。
人からもらい、甲子園の土に思い入れが薄い人が売り出しているケースがあるかもしれません。

土は“心の支え”

一方、甲子園の思い出を、長年、人生のよりどころにしてきた人もいます。
埼玉県内で税理士事務所を営む越川利明(こしかわ・としあき)さん。
自分の事務所の玄関に、土を飾っています。

34年前、甲子園に出場。
2回戦で敗れ、土を持ち帰りました。

越川利明さん
「ずっと野球で支えられてきたり、野球で頑張ってきたりして今がある。
大切なお守りというか、土が守ってくれているという感覚。」

独立し、自分の税理士事務所を立ち上げて16年。
経営者として事務所を運営していく中、職場に置いた「甲子園の土」をずっと心の支えにしてきたといいます。

越川利明さん
「仕事をやっていると、いい時もうまくいかない時もあり、元気をもらっている。
土を見て今日も1日頑張ろうと活力になっている。
力をもらっている、この土から。
何でもかんでも売っていいのかということになる。
思い出が売られてしまうのは、どうなのかなと考えます。」



桑子
「たしかに、自分の青春のまさに『結晶』に値段をつけられるというのはどうなんだろう…と思うんですが、それを実際に買う人がいるわけなんですよね。」

有馬
「連日の高校野球の熱戦を見て、球児たちを応援したいという思いから、甲子園の土も手に入れたいとか、そうした気持ちになるんでしょうか…。」

桑子
「皆さん、どうお感じになりましたか?」

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