2018年10月8日(月)

秋晴れの季節に… 大規模停電が起こる?

桑子
「穏やかな秋晴れが気持ちのよい季節になってきました。
ところが、今こんな日和にちょっと考えにくい事態が起きるかもしれないんです。」

有馬
「皆さん、何だと思われますか?
実は、大規模停電なんです。
一体どういうことなんでしょうか。」

九州で増える太陽光発電 5年で7倍に!

福岡県みやま市の太陽光発電施設です。
出力はおよそ5,500キロワット。
太陽光発電による電力の「地産地消」を掲げ、およそ3,000世帯が日中に使用する電力を生み出していると言います。

みやまエネルギー開発機構 石橋愼二業務部長
「いいところらしいんですよ、天候、日射量は。」

上原光紀リポーター
「太陽光発電に適した場所?」

みやまエネルギー開発機構 石橋愼二業務部長
「そうですね。」

九州は日照条件に恵まれていることから、太陽光発電の導入がこの5年でおよそ7倍に増加。
ピーク時には太陽光の発電量だけで九州の電力需要の8割を賄えるまでになっています。

太陽光発電が停電の原因に? そのメカニズムとは…

上原リポーター
「一面に広がるソーラーパネル。
ただ、発電しすぎると、停電を招くおそれがあるというんです。」

“発電しすぎると停電につながる”という太陽光発電。

九州電力の会見
「供給力が電力需要を上回る場合、やむをえず太陽光・風力発電の出力制御を実施する。
皆さまのご理解とご協力をお願いしたい。」

先月(9月)、九州電力は発電事業者に対し、離島以外では全国で初めて発電の抑制を求める「出力制御」を今月(10月)実施する可能性を明らかにしました。
発電するうえで重要なポイントは、電気の「消費量」と「発電量」のバランスを保つことです。
このバランスが崩れると、周波数が保てなくなり、停電につながります。
先月の北海道の地震の際には、火力発電所が停止したため、発電量が大きく減り、大規模停電が起こりました。

九州の場合は、北海道とは逆に太陽光発電の増加により「発電量」が消費量を大幅に上回るため大規模停電の発生が懸念されています。

九州では原子力発電所が稼働しています。
原発は一時的に発電量を減らすことが難しいため、九州電力は火力発電所の出力を絞るなどしていますが、それだけでは対応できなくなるおそれもあります。
さらに、過ごしやすいこの季節も、停電のリスクを高める要因に。
冷房の需要が減る一方、晴天が続いて太陽光の発電量が増えるため、バランスが大きく崩れるおそれがあるのです。

二酸化炭素 排出量ゼロへ 進む 温暖化対策

今日(8日)、国連の組織が公表した地球温暖化についての特別報告書。
そこには切迫した状況が…。

IPCC イ・フェソン(李会晟)議長
「気候変動はすでに世界中で人間や生態系に影響を及ぼしている。」

世界の平均気温は19世紀後半の気温に比べて、およそ1度上昇していて、このままいけば早ければ2030年にその差は1.5度に達すると予測。
そうなると、懸念されるのが、今年(2018年)の夏のような「異常気象」です。

報告書では、地域によっては極端に暑い日が増えるほか、これまで以上に大雨の日が増えるおそれが高いと指摘。
リスクを抑えるためには、再生可能エネルギーの割合を全体の70%から85%に増やすことなどによって、2050年ごろには二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする必要があるとしています。
そのために注目されているのが、二酸化炭素を回収する技術です。
北海道で行われている試験では、製油所から出たガスから二酸化炭素を分離して回収。
そして、沖合の海底深くに封じ込めます。

日本CCS調査 小島裕昭センター長
「二酸化炭素を放出することで悪い影響が出ている。
それを食い止めるためになくてはならない技術。」

温暖化対策に逆行の動きも… どう増やす 再生可能エネルギー

温暖化対策が進められる今の時代に逆行するかのような、太陽光発電の「出力制御」。
福岡県みやま市の事業者は…。

上原リポーター
「お話最初聞いた時は?」

みやまエネルギー開発機構 石橋愼二業務部長
「え~っていう感じですよね。
再生エネルギーはどうなってるのかと言いたい。
国の方針は…。
(再生可能エネルギーを)進めるだけ進めさせて、どんどん進めさせたんですよ、当時。
ところが、多すぎるから止めろって、そんなって…。」

2016年度の日本の発電量に占める割合は、発電時に二酸化炭素を排出する天然ガスが42.2%、石炭が32.3%です。
一方、再生可能エネルギーの割合は、14.6%。
国は、2030年度には再生可能エネルギーの割合を22%から24%とする目標を掲げています。
はたして実現は可能なのか…。

東京電機大学 加藤政一教授
「運用はいろいろな工夫をする。
できるだけコストをかけないように、その範囲の中で再生可能エネルギーを大量に入れられる。
それをやっぱり考えて量も決めていくべきだと思う。」

再生可能エネルギー どう普及させるか

桑子
「温暖化対策にもなるということで、太陽光パネルを設置したのに、その発電量が多すぎて使えないというのは、皮肉な話だなと思います。」

有馬
「余った電気は大きな蓄電池にためるとか、他の電力会社にたくさん売るとか、手はありそうなんですけれども、それにはコストがかかるというのが電力会社の説明なんです。
再生可能エネルギーの普及は待ったなし。
何とか余った電気も使うことができるように考えてほしいと思います。」

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