2018年11月20日(火)

“AI=人工知能”で判定へ

桑子
「2020年、東京オリンピックで体操競技の採点方法が変わるかもしれません。
こちら、見ていただきたいんですが、白井選手の跳馬の演技。
有馬さん、よく見てくださいね。
このあと何回ひねるでしょうか?」

有馬
「1、2、3、4、5?」

桑子
「ちょっと分かんないですよね。」

有馬
「速過ぎますよ!」

桑子
「ということで今日(20日)、国際体操連盟が競技の判定にAI=人工知能を使ったシステムを導入することを発表しました。」

体操競技にAI導入 採点方法が変わる

後方かかえ込み二回宙返り一回ひねり、通称・月面宙返りの「ツカハラ」。
二回の宙がえりから棒を抱え込む「モリスエ」。
後方伸身宙返り四回ひねりの「シライ/グエン」。
進化を続け、難易度を増す体操の技。
採点する側にも技術が求められています。
こうした中…。

国際体操連盟 渡辺守成会長
「国際体操連盟は、富士通が開発した得点支援システムの採用を決定。」

国際体操連盟が発表したのが、AIを使って競技の採点を支援する新たなシステム。

実際の国際大会では、このAIの判定と審判の人の目による判定を組み合わせて、最終的には審判員が総合的に判断して採点を行うということです。

国際体操連盟 渡辺守成会長
「すべての“採点スポーツ”が課題にしていた審判の公平性を飛躍的に高めてくれる。」

どう採点?審判員に聞く

今、体操競技の採点はどのように行われているのか。

国際大会で審判員を務める、日本体操協会の髙橋孝徳さんに聞きました。
見てもらったのは、2年前のリオデジャネイロ・オリンピックでの外国人選手の床の演技。

「素人目で見ると、うまくいっているのかと思うが。」

日本体操協会 髙橋孝徳さん
「今のところで体が伸びているのか屈伸なのか、どちらで認定するのか、ここで考えることになる。」

空中で体が伸びきっているのか、曲がっているのかで、採点が変わってくるというのです。

日本体操協会 髙橋孝徳さん
「ここは体が伸びている、まっすぐ。
ここで体が曲がってきた。
伸びているのか曲がっているのか、中途半端な状態になっている。」

これまでは審判の経験が頼りだったという体操競技の採点。
AIによる客観的な判断基準ができることで選手側も納得しやすくなると期待しています。

日本体操協会 髙橋孝徳さん
「今までは経験しているわれわれの目で『これは45度足りていない、超えてしまった』、すべて経験値で見ていた。
AIが出てきて支援してくれる。
これは大変助かる。」

“複雑な動きをリアルタイムで”

今日発表されたシステムでは、選手の体やその周辺、あわせて200万か所に赤外線のレーザーを照射。
そのデータから作り出した3次元の動画を瞬時に画面に表示させ、審判の判定を支援します。

富士通研究所 森田俊彦取締役
「360度、任意の確度から見ることができる。
体操の極めて速くて複雑な動きをリアルタイムで認識できる技術は、まさに世界最高峰。」

今日の発表では、実際に選手が行ったあん馬の演技で…。

日本体操協会 竹内輝明常務理事
「審判はここで倒立が成立したかを見る。
横向きで見ると、倒立で上がっているように見えるが。」

別の角度から詳しく見ると…。

日本体操協会 竹内輝明常務理事
「手の上にしっかり乗っていない。
『D難度』ととれない。」

さらにAIが自ら、体の回転やひねりなどを分析し、過去の演技データや採点基準と付き合わせて、技の完成度を判定することもできてしまいます。

現役の体操選手
「『うわー』と思ってしまうのも少しあるが、それよりも公平さは大切だと思うので、技術が入る事はいいこと。」

現役の体操選手
「『右ひざが曲がっている』と、よく言われるが、審判を左にすると右ひざが見えない。
でもそういうのができなくなるので、右ひざを克服するしかない。」

他のスポーツへの広がりは…

AIによる判定は、今後広がっていくのか。
専門家は…。

慶應義塾大学大学院 システムデザインマネジメント研究科 神武直彦教授
「人が芸術・技術点を判定する競技は、シンクロナイズド(アーティスティック)スイミングやフィギュアスケート。
体操競技に非常に近い判定のしかたをしているので、そちらに広がっていくのが、まずは考えられる。」

将来的には、人間の審判はいなくなってしまうのでしょうか。

慶應義塾大学大学院 システムデザインマネジメント研究科 神武直彦教授
「AIの強みを発揮できる部分と人間だから判定できる部分がまだまだそれぞれ別にある。
当分の間はAIと人が共に協調しながら判定していくというのが、一番いい。」

体操競技 採点にAI導入

有馬
「見る方にとっては技の進化って本当に楽しみなんですけど、審判する方、判定する方にとってみると、本当に大変ですよね。」

桑子
「審判員の髙橋さんも今回、助かるとおっしゃっていましたものね。
でも、実際の国際大会では、最終的には審判員が判断するとおっしゃっていましたよね、ちょっと安心したところがありました。
やっぱり技の正確な点数だけじゃなくて、その会場の空気感ですとか、いかに惹きつけられたかとか、人間だからこそつけられる点数ってありますよね。
そこは今後もぜひ大事にしていただきたいなと思いました。」

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