2018年11月27日(火)

有人宇宙飛行に可能性

桑子
「光の尾を引いて、すい星のようにも見えるこちら。
日本の宇宙輸送船『こうのとり』が大気圏に突入し、燃え尽きる様子を捉えた画像です。」

有馬
「いつもは燃え尽きてしまうのですが、今回は中に入っていた『カプセル』が、燃えずに地上に戻ってきたんです。」

桑子
「日本の有人宇宙飛行の大きな可能性を秘めたそのカプセルが、今日(27日)公開されました。」

宇宙からカプセル帰還 きょう公開!焦げたにおいも…

今月11日。
小笠原諸島の近海。

「あったあった、ありました!
目の前、あそこ、あったあった!
今から300メートルまで降ります。」

「ああ、緑の、はいはいはい。」

「よかった、頼むよ。」

国際宇宙ステーションから、日本に戻ってきたカプセル。
海から無事に回収されました。

そのカプセル、パラシュートや中の容器などとともに、今日、公開されました。

JAXA 渡邉泰秀 開発チーム長代理
「非常にいい状態で帰ってきてくれた。」

高温で激しく焼け焦げた跡も…。

記者
「ちょっと焦げたにおいが…。」

JAXA 渡邉泰秀 開発チーム長代理
「あれがアブレータ(耐熱材)のにおい。
あれでご飯何杯も食べられる人もいる(笑)。」

新ミッション“持ち帰る”

今回の「こうのとり」のミッションは、9月に始まりました。
これまでのミッションは、宇宙ステーションに必要な物資を補給することでしたが、今回は「物資を再び持ち帰る」という目的も与えられました。
そのために初めて搭載されたのが、小型の「回収カプセル」です。

カプセルの中には、結晶化したたんぱく質などを収め、地球へ持ち帰ります。
病気の治療法の開発などに役立てるためです。
こうのとりから切り離されたカプセル。
課題は、大気圏突入時の高温と激しい衝撃です。
宇宙ステーションから物資を持ち帰る技術は、現在、ロシアとアメリカしか持っていません。
回収されたたんぱく質を、顕微鏡などで確認すると…。

宇宙ステーションで作った結晶は、見事に維持された状態。
大成功でした。

JAXA 渡邉泰秀 開発チーム長代理
「私は100点以上をあげたい。
(結晶化されたたんぱく質を)持ち帰ることが出来た。
自信を持って、うまくいったと言えると思う。」

そして…。

JAXA 渡邉泰秀 開発チーム長代理
「有人宇宙船につなげていくには、実績を積まないといけない。」

その技術を有人飛行へ…

カプセルを帰還させた技術。
将来的に、人間を乗せる宇宙船の開発に欠かせないものとなります。
その1つが「飛行技術の確立」です。
大気圏に突入する際のダメージを抑えるためには、姿勢を制御する必要があります。
そこで、今回、取り付けられたのが「スラスター」と呼ばれる装置。

カプセルの周囲に取り付けられた8つの装置から、ガスを噴射。
姿勢を制御することで、大気圏突入時の温度上昇と衝撃を抑えることが可能になるのです。

もう1つが、「耐熱技術の開発」です。
今回のカプセルの側面や底面などには、「アブレータ」と呼ばれる特殊なプラスチックが取り付けられています。

「アブレータ」は、高温で溶けるとともに、周囲の熱を奪うという特性があります。
これによって内部の温度を数十度に保つことができるのです。

“まほうびん”が貢献!

さらにもう1つ、今回のミッションに貢献したのが…。
水筒などに使われる「まほうびん」の技術でした。

使われたのは、カプセルの中心部。
結晶化した、たんぱく質を入れる重要な容器で、中の温度を保冷剤のみで4度前後に保つよう求められていました。

大気圏突入時、カプセルの表面温度はおよそ2,000度に達しましたが、容器の内部は設計通り、およそ4度に保たれていたということです。
今回、開発に携わった担当者は…。

電話:魔法瓶メーカー 森俊彦さん
「“宇宙で頑張ってこい”と送り出した感じ。
無事帰ってきてよかったねって。
断熱容器は形状からいくと、円筒状が加工しやすいが、その容器を重ね合わせることで、さらに強固なものにできた。
有人(宇宙船)でもいかせるのであれば、ぜひ一緒にさせてもらえれば。」



有馬
「日本の有人宇宙飛行に向けて大きな一歩!…と言いたいところなんですが、日本独自の有人宇宙船を開発・運用するには多額の費用がかかるということで、今はまだ具体的な計画は進んでいないんです。」

桑子
「でも、今回のような技術が積み重ねられていって、いつか、あのまほうびんに人間が入って、宇宙飛行できる日がくるといいですよね。」

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