2019年1月28日(月)

家庭用 太陽光発電 相次ぐ出火 そのわけは?

桑子
「こちらの写真。
住宅の屋根に設置された太陽光発電のパネルなんですけれども、ここを見ていただきたいんです。
火災によって焼けて、穴が開いてしまっているんです。」

有馬
「太陽光パネルは、一気に普及が進みました。
今や家庭用は237万件と、大きく普及したんですが、実は、このように出火するケースが相次いでいることがわかりました。」

一気に普及のなかで…

栗原望リポーター
「こちらの家の上にも太陽光発電のシステム。
そして、ありました。
あちらの家の屋根にも、太陽光発電のシステムがあります。」

こちらの男性は、自宅の新築に伴い、一昨年(2017年)から太陽光発電システムを設置。

栗原リポーター
「導入してどう?」

太陽光発電を自宅に設置 中村公聡さん
「すごく助かっている、家計的には。」

一方で。

栗原リポーター
「太陽光パネルで火災が相次ぐ話、知っている?」

太陽光発電を自宅に設置 中村公聡さん
「とくに気がつかない。」

栗原リポーター
「メンテナンスは?」

太陽光発電を自宅に設置 中村公聡さん
「メンテナンスは、ほとんどしていない。」

栗原リポーター
「掃除は?」

太陽光発電を自宅に設置 中村公聡さん
「掃除もぜんぜんしていない。」

業者からも、安全点検の必要性や火災時の注意について、説明を受けた記憶はないといいます。

太陽光発電を自宅に設置 中村公聡さん
「メンテナンスも1年に何回という話はないので、気をつけてはいない。」

各地で相次ぐ火災

ところが、実は家庭用の太陽光発電システムの火災は、各地で発生しています。
3年前、こちらの住宅では、屋根と一体化した太陽光発電のパネルから出火。
屋根の一部が焼けました。
部品の異常発熱が、火事の原因と見られています。

都内のこちらの住宅では。

栗原リポーター
「こちらの中にあるケーブルが、焦げる被害があったということです。」

焼け焦げていたのは、屋根裏に設置していた「パワーコンディショナー」と呼ばれる装置。

栗原リポーター
「周り、屋根裏部屋なので、いろいろなものが収納されているんですが、もし万が一、引火するようなことになれば、大きな火事になっていたかもしれませんね。」

「火事が起こることは想定していなかったので。
引火するとは考えていなかったので、想定していなかったので、そうなったらこわい。」

こうした家庭用の太陽光発電システムから火や煙が出たといった事故。
消費者庁の安全調査委員会、いわゆる消費者事故調によりますと、平成29年11月までの9年間に、全国で127件報告されています。

消火で「感電」のリスク

この太陽光発電システムの火災、実は消火にあたってやっかいな問題を抱えています。
太陽光パネルのすぐそばで火災が起きたことを想定した実験映像です。
パネルが作り出す電圧を測定すると、急激に上昇。
炎の光で、パネルは発電を続けてしまうのです。

太陽光発電システムで火災が起きると、内部では電気を蓄え続けます。
そこへ、まっすぐ水をかけて消火しようとすると、なんと電気が放水した水を伝って感電するおそれがあるといいます。

消防研究センター 田村裕之さん
「人への影響があるような、感電がおこる可能性が十分にある。」

実際、活動中の消防隊員が感電したケースも報告されています。

活動中に感電した消防隊員
「全身に筋を痛めるような、しびれるような痛みが走っていた。
破損しているように見えたが、それでも発電するものなのだと。」

“応急の点検が必要”

相次ぐ火災を受け、動いたのは消費者事故調です。
今日(28日)、国への報告書をまとめました。

消費者事故調 中川丈久委員長
「業界全体として、総点検していただく必要がある。」

報告書では、経済産業省に対し、応急の点検を行うようメーカーに促すことを求めています。
消費者事故調は、今回、127件報告された事故のうち調査が進んでいなかった72件を調べました。
その結果、59件は「パワーコンディショナー」と呼ばれる装置などから出火し、取り付け時の不備が主な原因とみられることがわかりました。

また、太陽光パネルやケーブルの火災も13件。
太陽光パネルの火災では、パネルと屋根の間に延焼を防ぐ部材が挟まれていないケースも多く、深刻な被害につながる危険性が大きいとしています。

さらに、太陽光発電を設置している1,500人を対象にしたアンケート調査では、1,000人余りが“保守点検を行ったことがない”と答えています。
消費者事故調では、太陽光パネルを設置した人にも注意が必要だと呼びかけています。

消費者事故調 中川丈久委員長
「まずは点検。
(問題ある場合は)直ちに業者に連絡をして“大丈夫か、設置形態を変えた方がいいのか”、行動を起こしていただく、これがほぼ唯一。」

家庭用 太陽光発電

有馬
「まずは点検が必要だという話ですけど、しかし、なぜ普及が進んだ今になってこんな呼びかけが必要なのか、と思いますよね。」

桑子
「専門家にお伺いしました。
産業技術総合研究所の加藤和彦さんによりますと、“『安全』という思い込みがあった”ということなんです。
“太陽光発電システムが普及し始めたころは、売る方も買う方も行政も研究者も、みんな安全だという思い込みがあって、安全の問題が埋もれてしまっていた”ということなんです。
その上で、“パネルは屋根の上に設置されていることが多いので、劣化に消費者が気づきにくい”ということなんです。
なので、“定期的な安全点検が絶対に必要だ”とおっしゃっていました。」

有馬
「このニュース、ドキっとされた方いらっしゃったと思います。
みなさん、気を付けてください。」

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