2019年4月2日(火)

「令和」考案者は?

有馬
「新元号の選定作業で、政府が示した6つの原案すべてが明らかになりました。
それがこちらです。」

桑子
「『英弘(えいこう)』、『久化(きゅうか)』、『広至(こうし)』、『万和(ばんな)』、『万保(ばんぽう)』、そして『令和(れいわ)』です。」

有馬
「昨日(1日)行われた有識者の懇談会では、このような縦30センチ、横60センチほどの紙が示されました。
6つの原案は、このように縦書きで右から五十音順に書かれていました。
何の書物から引用されたかも、記されていたということです。」

桑子
「この『令和』は、万葉集から引用されたということでした。
日本の古典を元にされています。
『令和』だけではなく、『英弘』も日本の古典を元に考えられていました。
そして、『久化』、『万和』、『万保』は中国の古典からとられたものでした。
残る『広至』は日本と中国、両方の古典から引用されたということです。」

有馬
「それぞれには、どのような意味が込められていたのでしょうか。」

新元号 6つの原案 その意味合いを分析

元号の歴史に詳しい専門家は、6つの原案の中には、以前、元号の候補になったものもあると言います。

話:京都産業大学 久禮旦雄(くれ・あさお)准教授
「特徴としては2種類に分かれる。
久化、万和、万保は、中国古典に出典があり、かつ、以前未採用だったもの。
英弘、広至、令和は、日本古典に出典があり、今まで出されたことがない。」

さらに、何度も候補になったものも。

話:京都産業大学 久禮旦雄准教授
「久化は鎌倉時代に未採用となったもの。
万保は今確認できるだけで10回ほど提出され、いずれも落選。
万和は10回以上出され、かなり人気があるもの。」

文字の組み合わせは、これまでの伝統を踏襲したものもあるといいます。

話:京都産業大学 久禮旦雄准教授
「『英』と『広』は、使われたことのない文字。
『弘』と『至』は、使われたことがある文字。
その点は結果的に採用された令和と同じく、昭和・平成の伝統をひいて、新しい文字と今まで使われた文字を、組み合わせる形を踏襲していると考えられる。」

日本文学の研究者は、6つの案を見ると特色が浮かび上がってくるといいます。
「令和」以外の案については…。

国文学研究資料館 館長 ロバート・キャンベルさん
「(5つの案は)どちらかというと、国のイメージ。
為政者が国を、どういうふうにつくればいいかとの思いが込められている、そういう文脈だと想像する。」

では、「令和」については…。

国文学研究資料館 館長 ロバート・キャンベルさん
「それに対して万葉集は、人々の生の声、当時の人々の気持ち、時の移ろいや自然へのそのままの感性を声にした歌集。
ふだんのいろいろな立場の人たちの思い・希望を込めた。
それが選ばれたことに意味がある。」

新元号「令和」考案者か 中西進氏の素顔に迫る

桑子
「万葉集からとられた新元号『令和』。
その考案者は誰なのか。
関係者の話などから明らかとなってきました。」

万葉集がまとめられた当時の衣装で登場したこの男性。
国際日本文化研究センター名誉教授の、中西進さんです。
長年にわたり万葉集の研究を続け、日本の古代文学の研究に大きく貢献してきました。
政府は、「令和」の考案者は明らかにしないとしていますが、関係者の話などから考案者は中西さんとみられます。

万葉集の和歌の作り方が、当時の中国の影響でどのように変化したかを論じるなど、独自の視点で研究を行っている中西さん。
大阪女子大学や京都市立芸術大学の学長を務め、平成25年には文化勲章を受章しています。
中西さんは奈良県立万葉文化館名誉館長も務めています。
館長に聞くと…。

話:奈良県立万葉文化館 稲村和子館長
「中西先生は物腰の柔らかな、ソフトでダンディーな方です。
すごく研究については真摯(しんし)で厳しい方。
研究者ですので、きちんといろんなものを追究していきたいという姿勢の方。」

中西さんと親交がある、漫画家の里中満智子さん
万葉集を題材にした作品でも知られています。

話:漫画家 里中満智子さん
「やっぱり(中西さん)という感じ。
今回の元号、漢籍だけでなく日本の古典からもとると話を聞いた時、中西先生だったらどんな案をお出しになるかと想像した。
あーやっぱりそうだったのかと、確信はもてませんけど、そういう気持ち。」

中西さんにたびたび、アドバイスを受けているといいます。

話:漫画家 里中満智子さん
「昔の飛鳥・奈良時代の固有名詞として、この名前を主人公に使っておかしくないかと、そんなことも聞いたり。
丁寧に答えてくれて、いつも助けてくれる。
とても優しく楽しそうに教えてくれる。」

中西さんは、古典の普及にも努めています。

国際日本文化研究センター名誉教授 中西進さん
「すでにできあがっている解釈にとらわれないこと。
これが一番大事。」

子どもたちに万葉集を講義する「万葉みらい塾」を全国の都道府県で開いてきました。
その中西さんが考案したと見られる「令和」。
中西さんは今日(2日)午後、自宅の前で、報道関係者からの「元号の考案者として名前が挙がっていますが」という問いかけに対して、「お話しすることはありません」と答えました。
また、「万葉集」が出典となったことについて問われると「いいと思います。いい時代になればいいですね」と話しました。

一方で、こんなこともわかりました。
東京の出版社が中西さんの著書「万葉の秀歌」の増刷を決めたことにあわせてメッセージを依頼したところ、今日、本人から会社宛てにファックスが届いたということです。
そこに書かれていたのは次の言葉でした。

“「万葉集」は令(うるわ)しく平和に生きる日本人の原点です。”

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