2019年4月12日(金)

熊本地震 まもなく3年 復興への歩みはいま

有馬
「平成28年4月。
2度にわたり、震度7の揺れに見舞われた熊本。
まもなく熊本地震から3年になります。」

桑子
「私は、おととし(2017年)、去年(2018年)と現地を訪ねてきました。
そして今年(2019年)も、復興への歩みを取材してきました。」

熊本地震 あの日から3年 桑子が見た「復興」への歩み

3年前、地震で大きな被害を受けた熊本城。
去年の今頃は、足場が組まれていました。

そして、今年…。

桑子
「見えました、天守閣!
大天守のほう、すっかり覆いが取れて、勇壮な姿を取り戻しました。」

あの日から3年。
熊本は、一歩ずつ歩みを進めてきました。

桑子
「熊本市動植物園に来ました、お昼どき、続々と皆さん入っていきます。
たくさんの方が訪れています。
こちらは地震で一時休園していたんですが、去年12月に全面的に再開しました。」

熊本市民の憩いの場だった、動植物園。
地震で無数の亀裂が生じ、飼育施設の一部が損壊するなど、甚大な被害を受けました。

全面開園を果たし、かつての姿を取り戻したのは、去年の暮れのことでした。
最初の揺れが起きた日の夜、当直に当たっていた副園長の松本充史さんです。
地震直後、松本さんが最初に向かったのが、ライオンやトラを飼育する猛獣舎でした。

熊本市動植物園 松本充史副園長
「この建物がもし破損をしていて、(猛獣が)逃げ出したら一番危険なので。」

その頃、SNS上では「動物園のライオンが逃げた」という、うその情報が拡散していました。

ライオンの安全をすでに確認していた松本さんら職員。
市民からの問い合わせに冷静に対応しながら、すべての動物の安否確認を行いました。

熊本市動植物園 松本充史副園長
「(動物の)目が光って見えるので、どこにいるか大体わかる、暗くても。
意外と落ち着いている状況が確認できたので、安心した。」

ただ、地震の被害は深刻でした。
地割れで、おりが大きく壊れ、猛獣の飼育が不可能になったのです。

ライオンなど5頭を、福岡や大分の動物園に2年半にわたって預かってもらうことになりました。
復旧にかかる費用は8億5,000万円。
松本さんたち職員は、「動植物園の存在意義」を考え続けてきたと言います。

熊本市動植物園 松本充史副園長
「単にお金の面から言うと『無くしていい』という意見もあったかもしれない。
でもそうではなくて、もっとがんばらなくてはと思ったのは、ここに来ることで熊本の人たちはいろんなことを学んでいく。
環境のことを考えたり、自然のことを考えたり、動物を考えたり、そういった子どもたちが育っていくのだろうなと思って、そういう場所を無くしてはいけないと思った。」

そして迎えた、去年12月の全面開園の日。
多くの熊本市民が心待ちにしていました。
喜ぶ子どもたちの姿に、松本さんは気付かされたことがあったと言います。

熊本市動植物園 松本充史副園長
「最初に子どもたちが、地震からの癒しを求め動植物園に来ると思ったが、全くそんなことはなく、動物のことを話す僕らにどんどん食いついてくる。
好奇心みたいなものがどんどん湧いてくる。
子どもたちは次の一歩、復興の一歩をすでに歩み始めていた。」

私がここを訪れた、もう1つの理由。
それは、こちらの夫婦に会うためでした。

私が毎年お話を伺ってきた、益城町に暮らす宮守さん夫婦です。
全壊した自宅の下敷きになりながらも、生き延びた2人。
ただ、高額のローンを組むことはできないと、自宅の再建を諦め、仮設住宅で暮らしてきました。

この日、動植物園へ孫たちと一緒に訪れていました。


「猛獣とか、いっぱい戻ってきたからうれしい。」

宮守さん夫婦は、益城町の仮設住宅で暮らしています。
自治会長を務めている宮守さん。

仮設住宅などで暮らす被災者は、ピーク時で4万7,000人を超えていましたが、今は1万6,000人余り。
ただ、長引く避難生活による体調悪化も懸念されています。
宮守さん夫婦も、4畳半二間での暮らしが続いています。

宮守高徳さん
「もう3年かという感じ、あっという間というか…。」

宮守るみさん
「今でも地震を思い出す。
あまりにも衝撃的だったから、いきなり下敷きになって。
災害のニュースを見ていると今でも涙が出てくる、思い出して。」

案内してくれたのは、工事がようやく始まった災害公営住宅の建設現場です。
完成予定は来年(2020年)の3月。
2人はここに入居する予定です。

ただ、心配も尽きません。
今の仮設住宅で暮らす人々が、みな同じ災害公営住宅に入居できるわけではないからです。
高齢被災者の孤立化や、孤独死の問題も叫ばれる中で、新たなコミュニティをどう築いていくか。
自治会長の宮守さん夫婦は、考え続けていました。

宮守高徳さん
「よその仮設から来られる方もいる。
行事とかをしていかないとと思う。」

宮守るみさん
「お互いにお手伝いや助け合えるところがあればやろうかなという気持ちはあるから、出来る範囲でお互いに支え合っていきたいと思っている。」



桑子
「また新しい環境で、新しいコミュニティーを築くのは大変なこともあると思いますが、宮守さんたちは建設予定地によく足を運ぶそうなんです。
早く住みたいということをおっしゃっていましたし、新しい部屋の間取り図を嬉しそうに見せてくださったのがとても印象的でした。」

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