2019年5月7日(火)

世界に広がる代替肉

桑子
「いい音してますね。
こうして両面を焼いて…、ハンバーガーになるのですが、今焼いていたパテ、肉ではないんです。
実は“フェイクミート・代替肉”と呼ばれるもので、野菜などから作られています。」

有馬
「どんな匂いがするのか気になりますが、この代替肉、今世界中に広がっているんだとか。」

まるで肉! 世界に広がる植物由来“フェイクミート”

アメリカのバーガーキングCM
YouTubeより
「彼らが食べているパテは、実のところ植物製。」

「冗談だろ!?」

“冗談ではなく。”

「何言ってるんだ?」

“動物なし、植物だけ。”

「本当に?」

「牛肉のバーガーみたいだ。」

「これは牛肉だろ。」

“誓って牛肉ではない。”

アメリカの、大手ハンバーガーチェーンの宣伝動画です。
先月(4月)から、代替肉を使ったハンバーガーの販売に乗り出しました。

今、アメリカでは健康志向の高まりなどを受け、植物由来の代替肉が急速に普及し、大きなビジネスとなっています。
2日には、代替肉を開発している新興の食品メーカー「ビヨンド・ミート」がニューヨークのナスダックに上場。
株価は、売り出し価格の2.6倍まで急上昇して、初めての取り引きを終えました。
この会社は10年前に創業され、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏や、俳優のレオナルド・ディカプリオ氏らが上場前に出資したことで知られています。

『ビヨンド・ミート』創業者 イーサン・ブラウンCEO
「肉を製造に動物は必要ない。
肉を構成するアミノ酸・脂質・微量ミネラル、水分は、みな動物以外から利用可能だ。」

この会社の代替肉は、豆のたんぱく質の成分などすべて植物から作られ、脂身はココナツオイルなどで再現。
すでにアメリカの大手スーパーなどで販売されています。
こうした状況に、アメリカの食肉会社最大手も肉を一切使わない代替肉を開発し、この夏から販売に乗り出すと、6日、明らかにしました。

この代替肉研究の最前線が、IT企業の一大拠点、シリコンバレーです。
かりっと焼けた焦げ目に…。
にじみ出る汁。
その名も、『インポッシブル(ありえない)バーガー』。

店長
「“未来の食事”だよ。」

このハンバーガーには、科学者たちの英知が詰まっています。
開発したベンチャー企業、「インポッシブルフーズ」です。
従業員の3分の2が科学者。
“肉とは何か”という分子レベルの分析を5年にわたり行ってきました。
鍵を握るのが、こちらの真っ赤な液体。
レグヘモグロビンと呼ばれる成分です。

見学者女性
「しょっぱいですね。
鉄の味がします。」

血液などに含まれるタンパク質に似たこの成分が、牛肉特有の色や香りをもたらすことがわかったのです。
研究の結果、大豆に存在する遺伝子と酵素を混ぜ合わせることで、レグヘモグロビンを作り出すことに成功しました。
こうして生まれた代替肉。
世界での市場規模は、2022年までに6,000億円を超えるという試算もあります。

高橋リポーター
「新宿・歌舞伎町です。
世界的に広がり始めているフェイクミート・代替肉。
日本でも動きが出始めています。
行ってみましょう。」

こちらのハンバーガー店。
今、外国人観光客に人気なのが代替肉を使った商品です。

高橋リポーター
「見た目はもう完全にこれお肉ですけれども、味はどうでしょうか。
いただきます。」

「味も食感も肉ですね。
言われないと分からないです。
本当にお肉と思って食べると思いますね。
“まさに肉がごとく”という感じです。
おいしいです。」

大豆や小麦など植物由来のパテは、オランダから輸入されたもの。
今後、店では日本人客も取り込みたいと考えています。

ショーグンバーガー 新宿1号店 扇谷厚子さん
「日本人のお客様も体に気を遣う人も多いので、体を鍛えている人、ボディメンテナンスしている人も召し上がっていただけるといい。」

高橋リポーター
「こちらご覧ください。
“肉じゃないのに、そこそこ美味(うま)い!”と書いてあります。」

首都圏の一部のスーパーで、去年(2018年)11月から販売がスタートしたレトルトのハンバーグ。
肉は使わず、大豆などでできています。
この商品を売り出したのが、食品大手の大塚食品。
ハンバーグの味や食感を再現するため、科学的な分析を重ねてきたといいます。

大塚食品 新規事業企画部 嶋裕之部長
「どんな粒の大きさで出来ているのか、顕微鏡でサイエンスしてみたり。
同じように香りがどうなっているか。
本物のハンバーグ、本物がどうなっているかに近づけていくアプローチをしている。
まるで、スマートフォンをばらばらにして分析するように。」

今後、代替肉の市場は日本でも拡大し、2022年には254億円にのぼると予想されています。

大塚食品 新規事業企画部 嶋裕之部長
「日本のみならず日米欧、世界中でこの市場は120%~150%の伸び方をする。
選択肢を広げてもらうためにも、いろんなものができれば。」

有馬
「1キロの牛肉をつくるのに、牛がエサとして食べる穀物はどのぐらい必要だと思いますか?」

桑子
「1キロの牛肉…、どのくらいなのでしょう。」

有馬
「家畜の飼料にして7キロから11キロくらい必要と言われています。」

桑子
「お肉の何倍もの飼料が必要なわけですね。」

有馬
「そのためには畑も要るし、大きな牧場も要る。
肉を生産するのは決して効率的ではないのではないか、と言う人もいるのです。
そうした中で出てきたのが、この代替肉。
どこまで広がるか、注目ですね。」

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