2019年5月13日(月)

路上飲酒の禁止を検討?

星麻琴リポーター
「東京・渋谷です。
今夜も路上でお酒を飲む人の姿があります。」

お酒を片手に多くの若者が行き交う街、渋谷。

「3、2、1、れいわー!」

大きなスポーツイベントやカウントダウンの際には、ひときわ多くの人が集まります。

ところが。
その渋谷の路上での飲酒を一時的とはいえ、禁止する。
そんな条例が検討されているというのです。

「えぇー、全然知らなかったです。」

「ハッピーハロウィーン!」

その理由は、去年(2018年)のハロウィーン。
捨てられた大量の空き瓶や空き缶。

酔っ払いによるトラブルも。
直前の週末から多くの若者などが集まり、逮捕者まで出る騒ぎとなりました。

路上飲酒の禁止を検討 ハロウィーンなど限定で 渋谷

このため、対策の強化を検討していた渋谷区は、条例制定による規制を目指す方針を固めたのです。
ハロウィーンや年越しのカウントダウンなどの期間に限って、渋谷駅周辺の地域を対象に、路上や公園での飲酒を禁止するというのです。

街の人は…。

規制に賛成
「子どもがいる身としては、やっぱり安全のほうが大事。
イベントごとに盛り上がり過ぎちゃう人がいると危ない。」

規制に反対
「実行してしまえば従うしかないけど、それが民意かは気になる。
規制しすぎるのもよくない。」

規制は“難しい”
「渋谷は昔からそういう街なので、たぶん守らない人が多いと思う。
この渋谷だから外でやるのが楽しい。
店だったらどこでも行ける、渋谷じゃなくてもいい。」

規制は“難しい”
「条例つくったらさらに問題になったり。
制限するのは難しいと思う。」

去年のハロウィーンの際、酔った人に券売機を壊されたというこちらの飲食店は…。

飲食店の店長
「渋谷の飲食店としては悪い話も聞くが、売り上げは全体的に上がっていると思うので、どんどんお祭りやってほしい。
ただ、はめを外さないように、市・区が動いてくれるのはいいと思う。」

路上飲酒が禁止されると渋谷の街はどうなるのか。
渋谷に先んじて飲酒を禁止したある場所へと向かいました。

星リポーター
「神奈川県逗子市の海水浴場です。
こちらでは5年前に、浜辺での飲酒について条例が定められました。」

海の家以外での砂浜での飲酒を禁止に。
その理由は、海水浴客のマナーの悪化でした。
海水浴場では、規制の数年前から大音量の音楽をかけたり酒に酔った客が騒いだりして、周辺の住民から苦情が寄せられていたのです。

警備員が巡回し、飲酒をしていないかチェックする姿も見られました。

警備員
「ノンアルコール?」

すると、この飲酒禁止の余波は隣の鎌倉市に及びました。
「逗子市で飲酒が禁止されたことで鎌倉市の海水浴場に迷惑行為をする人が流入している」。
そんな声が鎌倉市側で上がるようになったというのです。
そして鎌倉市も翌年、条例で砂浜での飲酒を禁止しました。

条例制定から5年。
逗子市によりますと、規制の翌年には海水浴客は大幅に減ったものの、近年再び増加傾向に。
住民からの苦情は大幅に減ったと言います。
逗子市の海の家の関係者は。

逗子海岸営業協同組合 勝田康司さん
「マナーは良くなっていると思う。
逗子の安心で安全な海水浴場に組合・地域住民・行政で取り組んでいて、ファミリー層を中心にどんどん逗子に客が戻ってきてくれている状況。」

ただ、禁止条例には罰則がなく、実際に飲酒している人を止めるには難しさもあると言います。

逗子海岸営業協同組合 勝田康司さん
「浜で飲んでいる人には注意しかできないので、『浜では飲まないで』とは言えるが、強制力があるわけではない。
捕まえるわけではないので。」

渋谷区が目指す条例は、罰則を設けるかどうか、検討を進めることにしています。
どのような罰則が考えられるのか、専門家は。

弁護士法人 海星事務所 澤井康生弁護士
「過料、過ち料をつけることになると思う。
地方自治法の規定によって、5万円以下の過料を条例で定めることができるとされている。」

科されるのは、行政上の制裁金にあたる過料だと言います。
参考になるのは、複数の自治体で導入されている「路上喫煙禁止条例」だと言います。
例えば、東京・千代田区の場合、区の指導員が巡回し、違反した人から2,000円の過料を徴収する仕組みです。

弁護士法人 海星事務所 澤井康生弁護士
「犯罪行為ではないので、警察が取り締まることはできない。
地方自治体独自で、もしくは業者に委託してパトロールなり取締りをしているのでは。
ある程度の抑止効果はあるのではないかと思う。」

一方で、澤井さんは、路上の飲酒を禁止する場合、規制の範囲を明確にすることが必要だと指摘しています。

弁護士法人 海星事務所 澤井康生弁護士
「路上でハロウィーンや飲酒すること自体は、違法行為ではなく憲法で保障された人権の1つ。
そういった行為を条例で規制するわけだから、必要最小限度の規制にしないといけない。
条例の文言を厳格に作成、制定することが必要だと思う。」

有馬
「去年のハロウィーンの騒ぎになると、これが必要かな、という気はしますけどね。」

桑子
「ただ、今のこの渋谷の活気がなくなってしまうのは寂しい、というのもわかる気はするんですよね。」

有馬
「弁護士の言うとおり、規制の対象は最小限に留めてほしいな、とは思います。」

桑子
「この議論、どうなるのか気になりますけれども、渋谷区では今週水曜日に方針を明らかにすることにしています。」

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