2019年5月20日(月)

島が“見あたらない” 北海道の海で何が

有馬
「日本の領海が狭くなるかもしれない。
そんな事態になっています。」

桑子
「こちらは北海道の北、エサンベ鼻北小島(はなきたこじま)です。
領海の範囲を決める基準点の1つとなってきたこの島が『見当たらなくなり』、海上保安本部が今日(20日)から異例の調査に乗り出しました。」

島が消えた? どうなる 日本の領海

今日始まった、第1管区海上保安本部による現地調査。
向かうのは、北海道の猿払村の沖合およそ500メートル。
「エサンベ鼻北小島」があるとされる海域です。
島が発見されたのは32年前。
当時、海面からおよそ1メートル40センチほどの高さがあったとされます。

しかし、去年(2018年)10月、地元の住民から「見あたらなくなっている」との情報が寄せられたことを受け、今回の調査が始まりました。
住民に聞いてみると、こんな答えが…。

住民
「そのようなものがあった記憶はあるが、ほとんど分からない。」

「見たことない。
この辺の人でも『あまり見ていない』という。」

先週、NHKが上空から撮影した映像では、付近に岩礁はあるものの、これが海面に出ている島なのかどうか判断できませんでした。

エサンベ鼻北小島とは、そもそもどんな島だったのか。
かつて、島を見たという人に話を聞くと…。

小松孝喜さん
「私が中学生時代、30数年~40年くらい前、その頃は島は見えていた。
私の先輩なんかは、そこまで泳いでいって、岩上に乗って手を振ってくれた。」

記憶にある島の様子を描いてもらいました。
浜辺から、いくつか連なる岩の先にあったと言います。

小松孝喜さん
「岩肌がつるつるしていて非常に滑りやすい。
3人くらい腰掛けられる程度の大きさ。
高さが1メートル、水面から出ているかな。
島と言われたときには、逆にびっくり。
私たちは『岩』という印象しかない。
そういえば見えていたやつが、いつの間にかないよね。」

実は、ここが「島」として正式に登録されたのは、わずか5年前。

菅官房長官
「離島の保全・管理のあり方に関する基本方針に基づいて、以前から、領海線を根拠づける離島への名称付与作業を進めてきた。」

この政府の方針の背景にあったのは、中国の海洋進出などです。
領海の根拠として沖縄県の尖閣諸島にある5つの島を含めて、それまで正式な名前のなかった全国158の島の名称を決定。
この時、名付けられた島の中で最も北に位置していたのが、この「エサンベ鼻北小島」でした。

存在するはずの「島」に、何があったのか。
海上保安本部の担当者は、「波や流氷で削られ、海面部分がなくなった可能性がある」としています。
干潮の際に水没する場合は、基準点として国際的に認められず、領海が狭まることになるということです。

初日の調査を終えて、担当者は…。

第1管区海上保安本部 飯塚正城主任海洋調査官
「目視では見えなかったが、岸のほうは、水面下には岩は確認できた。
一番浅い所がはっきりわかったら、直接上陸して調査したい。」

有馬
「まずは、潮が引いたときに海面に姿を現すのかどうかということですね。」

桑子
「今日は潮が高かったということで、24日まで調査を行って、領海の基準点となるかどうか見極めるということです。」

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