2019年7月16日(火)

アメリカ 深まる亀裂

桑子
「“アメリカが嫌いなら、出て行けばいい”
“彼女らは、アルカイダのような敵を愛している”
移民系の女性議員を念頭に、こう言い放ったトランプ大統領。
人種差別だという批判が吹き出しました。」

有馬
「そのトランプ大統領、不法移民の一斉摘発に乗り出し、社会の亀裂が一層深まっています。」

“嫌なら出ていけ” アメリカ 深まる亀裂

ソマリア出身 民主党 オマル下院議員
「我々は行動を起こさなければならない。
大統領が口から大量の『ゴミ』を吐き続けるのを見守るか、罪を償わせるかだ。」

プエルトリコ系 民主党 オカシオコルテス下院議員
「大統領の物言いには、もはや驚かない。
大統領が何を言おうと、この国は子どもたちのためにある。」

15日、揃って会見に臨んだ、野党・民主党所属の4人の下院議員。
非難の矛先が向けられたのは、トランプ大統領の…。

アメリカ トランプ大統領
「この国を憎み、幸せでないなら、出て行けばいい。
私は、そう言い続けてきた。
ツイートしたとおりだ。」

発端となったのは、14日に投稿したこのツイートです。

“民主党の「急進的な」女性議員たちは、世界最悪の国から来て、地球上で最も偉大で強力なアメリカ国民に対して「政府はこうすべき」と語っている。
国に帰ってはどうか。”

名指しこそしませんでしたが、念頭にあったのは会見に臨んだ女性議員たちです。
去年(2018年)11月の中間選挙で初当選した4人。
移民系の女性議員として、大きな注目を集めました。
3人はアメリカ生まれで、1人は子どものころソマリアから難民としてアメリカに渡り、その後、国籍を取得しています。

記者
「発言は人種差別的で、白人至上主義の団体が共感しているが、大丈夫か。」

アメリカ トランプ大統領
「大丈夫だ。
大勢が私と同意見だ。」

記者
「ツイ-トは人種差別的では…。」

アメリカ トランプ大統領
「静かに、静かに、静かに。
彼女らはイスラエルを憎み、アルカイダのような敵を愛している。」

国際テロ組織まで持ち出し、アメリカ国民である議員に「国に帰れ」と発言したトランプ大統領。
主要メディアは…。

「大統領は民主党内で、幹部と急進派を分断できると思ったのかもしれないが、民主党は一致団結し、女性議員を支持。
大統領を非難している。」

議員らは、国民皆保険や高等教育の無償化を掲げる、民主党内の「左派」です。

プエルトリコ系 民主党 オカシオコルテス下院議員
「教育、医療、そのほか多くのことも人権と考えられるべき。」

大統領選挙に向け、民主党の指名獲得を目指すバイデン前副大統領ら党の主流派と一線を画してきました。
トランプ大統領は、民主党内の緊張関係を利用して対立をあおろうとしたものの、裏目に出たと指摘されています。

民主党トップのペロシ下院議長は、大統領の投稿を非難する決議案を議会に提出する考えを示しました。

ペロシ下院議長(ツイッター)
“大統領の「アメリカを再び偉大に」という計画は、アメリカを再び白人の国にするということだ。”

こうしたなか、14日から取りかかると宣言していた、不法移民の一斉摘発については…。

アメリカ トランプ大統領
「14日、たくさんの人間を連行したぞ。
実のところ、摘発は数日前から始めていた。
でも14日は大成功だった。」

“一斉摘発は大成功だった”と、その成果を強調しました。

摘発の詳しい内容は明らかになっていませんが、対象は不法に滞在している2,000ほどの家族で、ロサンゼルスやニューヨークなど、全米およそ10の都市で行われると報じられていました。
さらに…。

「大統領は、南の国境での、ほぼ全ての難民申請を拒絶することにした。」

15日、トランプ政権は難民の申請要件を厳しくし、入国する人たちの数を抑制する新たな方針を打ち出しました。
中米ではいま、治安の悪化や貧困から逃れようと、アメリカを目指す人たちが急増しています。

トランプ政権は、こうした人々が制度を悪用していると主張。
今後、アメリカに向かう途中のメキシコなどの国で、難民申請を認められなかった場合に限り申請を受け付けるとし、今月(7月)16日から適用されます。
来年(2020年)の大統領選挙を見据え、不法移民を厳しく取り締まる姿勢をアピールするなか、人種をめぐる分断がさらに深まっています。

桑子
「トランプ大統領の言動が、さらに過激になってきた印象があります。
でも、記者に問い詰められた時は『大勢の人が同じ意見だ』と、強気な印象でしたね。」

有馬
「強気にふるまっているのか、本音なのか、どちらなのでしょう。
ただ、今回の発言が支持者へのアピールになると考えているとすると、大統領の問題はもとより、アメリカ社会が抱えている問題の深刻さを示しているのようにも思います。」

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