2019年7月31日(水)

「英語」がピンチ!? 英語教育は大丈夫?

桑子
「こちら、全国学力テスト。
今日(31日)公表された結果に、専門家からピンチだという声が上がっているんです。
その科目というのが、『英語』。
今回初めて、中学3年生を対象に英語のテストが実施されました。
何がピンチなのか、と言いますと、例えばこの問題を見ていただきたいんです。
“ある女性に関する情報です。この情報を用いて、彼女について説明しなさい。”
『この情報』というのが『住んでいる都市がローマだ』。
さあ、彼女について、説明してください。」

有馬
「“She lives in Rome.” ですかね。」

桑子
「すばらしい。
彼女は三人称ですから、“s” をつけないといけないですよね。
これ、基本的な問題と言っていいですよね。
ところが、この問題の正答率が、33.8%だったんです。」

有馬
「もうちょっと頑張ってもいいかな、中3ですもんね。」

桑子
「ちょと低いかなという感じ、あります。
今回、英語の正答率が他の教科に比べて低かったということで、今の英語教育のあり方に疑問の声が上がっています。」

問われる“英語教育”  力がついていない…

「Nice to meet you, too.(こちらこそよろしく)」

夏休みに入っても、英会話に励む子どもたち。
先週、都内の公立中学校で行われた夏期講習です。
生徒たちが話す相手は…。
フィリピンに住んでいる英語講師です。

「私が見えますか?」

「見えます。」

高まる英語の教育熱。
今、国はさらに推し進めようとしています。

8年前に必修化された小学校の英語教育。
これまで5年生からでしたが、来年度からは3年生に前倒しされます。
高学年では教科に格上げされ、通知表で評価されるようになるのです。

こうした中、今日、結果が発表された「全国学力テスト」。
対象の中学3年生は小学校で英語教育を受けた世代です。
各教科別の平均正答率を見ると国語や数学に比べて…。
英語の「読む、聞く、書く」問題は56.5%。
「話す」問題では30.8%にとどまりました。
求められる力がついていないことが浮き彫りになったのです。

英語教育の中で、国が目指してきたのはかつての受験英語を克服する“使える英語”です。

「Let's start our English class.(英語の授業を始めましょう)」

「Let's start our English class.」

「お隣同士にしっかり笑顔をふりまきながらお願いします。」

先週、大手英会話教室が都内で開いた研修会には、小学校の教員60人余りが集まりました。

「自信はありますか?」

「0%です…。」

以前は必要なかった英会話を身につけようと、四苦八苦しています。

「What season do you like?(どの季節が好きですか?)」

「I like winter.(冬が好きです)」

「Oh!I don't…
でも私はあの“暑いの嫌い”って何て言うの?」

「I don't like hot…」

「I don't like hot and cold.(暑いのも寒いのも嫌い)
I like…まぁちょうどいい、季節的には秋がいいけど。
日本語いっぱい入っちゃった…。」

力を入れているにもかかわらず、課題が浮き彫りとなっている英語教育。
今のやり方では「話す力」が重視されるあまり、基礎がおろそかになっているという専門家の指摘も。

立教大学 鳥飼玖美子名誉教授
「中学の段階でできない生徒がこんなにいるんだと、かなり問題だと思った。
どうも今の英語教育は、英語で日常会話することが非常に重要だと、そちらに引きずられすぎていて、中学で教えるべき基礎はあまり文法やってはいけないみたいな。
英語教育政策を、もう一度立ち止まって見直して考え直すべき。」

“使える英語”とは… 企業の模索

基礎が重要だという声は、9年前に思い切った方針を打ち出したこの企業からも。

楽天 三木谷浩史社長
「楽天は社内の公用語を、日本語から英語に切り替えていく。」

「問題の解決案は何かある?」

英語の公用語化を進めた結果、外国人の割合は職種によっては半数以上に上っています。

「コミュニケーションをとって共通のゴールを目指せるだけでなく、社外のことを知るうえでも役立っている。」

9年前、英語公用語化プロジェクトのリーダーを任された葛城崇さんです。
当時実施した社内調査によって、社員の英語力には基礎的な力に課題があることが見えてきたと言います。

楽天 教育事業部 葛城崇さん
「ボキャブラリー(語彙)が不足しているから、読めない聞けない書けない話せないことがわかった。」

その後、よく使う単語を学ぶといった地道なやり方で公用語化を進めてきました。

楽天 教育事業部 葛城崇さん
「基礎力、単語力がついていけば、読んだり聞いたり書いたり話したり、という力も土台の上に乗ってくる。
まずはきっちり基礎力をつけることがポイントだと考えている。」

会社では今、英語の公用語化で苦労した経験を教育にいかそうとしています。
開発中の英語学習アプリを教育現場で試してもらい、楽しみながら基礎が身につく方法を模索しています。

「単語を覚えるのが苦手だから。
ひとつでも多くの単語を覚えて試験でも活用できるようにしたい。」

楽天 教育事業部 葛城崇さん
「いかに継続して毎日コツコツ勉強するかというのが大事だということに気付いた。
きちんとサポートしていくことが大事。」

問われる“英語教育”

有馬
「基礎的な単語力がないと会話をなかなか楽しめないし、子どもたちもテストではいい点をなかなか取れないですよね。」

桑子
「そのテストがプレッシャーになって、子どもたちが英語嫌いになっては元も子もない話ですよね。
せっかく義務教育で早い時期から英語に触れられるのですから、使える英語を目指して、この基礎教育のあり方というのを模索してほしいなと思います。」

Page Top