2019年8月5日(月)

ファシリティドッグ 重い病気の子どもに寄り添う

桑子
「こちら『ファシリティドッグ』と呼ばれる、入院中の子どもたちと触れ合う犬です。」

有馬
「『セラピー犬』とは違うんですよね。」

桑子
「そうなんですよね。
セラピー犬は病院に通って患者さんの心を癒してくれますけれども、『ファシリティドッグ』というのは病院に常駐して、いつでも難病の子どもたちに寄り添ってくれます。
日本ではまだまだ数が少ないんですけれども、新しい犬が活動を始めました。」

子どもを癒やす ファシリティドッグ

東京都の小池知事がきょう(5日)視察に訪れたのは、都内で初めてファシリティドッグが導入された都立病院。
全国で3例目です。

東京都 小池知事
「アイビー好き?」

子ども
「はい。」

メスのラブラドール・レトリーバー、「アイビー」。
小児がんなどの重い病気で入院している子どもたちの不安やストレスを和らげるため、今月(8月)から活動しています。

東京都 小池知事
「とても癒やしになっている。
(子どもたちの)うれしくてうれしくて、そんな感じが伝わってきた。」

桑子
「ここにファシリティドックがいるということで、会いに行ってきます。」

以前からファシリティドッグがいるこの病院。
メスのゴールデンレトリーバー、「アニー」です。

「ハンドラー」と呼ばれる5年の看護師経験を持つ森田優子さんと、24時間、生活をともにしています。
ファシリティドッグは、アメリカの専用施設で専門的な訓練を受けます。
アニーは、60を超える指示を理解できます。

ハンドラー 森田優子さん
「アニー、ビジット。」

ハンドラー 森田優子さん
「ビジットっていって、あごを乗せる。」

私も簡単な指示をアニーに出してみました。

桑子
「タッチ!」

ハンドラー 森田優子さん
「キス!」

桑子
「こういうふうに触れ合って、子どもたちは心をほぐしたりするんですね。」

この病院に、週5日「常勤」しているアニー。

ハンドラー 森田優子さん
「はい森田です。」

桑子
「今のは何の電話ですか?」

ハンドラー 森田優子さん
「きょう手術室に一緒にいく予定のお子さんが、これから行くので来てくださいという連絡です。」

小児病棟に入る前には…。

桑子
「すごい入念に拭くんですね。」

ハンドラー 森田優子さん
「感染症っていうのをアニーが媒介しないように、拭いてますね。」

ファシリティドッグは、採血や検査など子どもがいやがる医療行為にも、そっと寄り添います。

医師
「ベイリーいると力抜けてる。」

「す…き…。」

「好きだねえ。」

子どもたちはアニーと出会った喜びを手紙や写真に残しています。

桑子
「すごい、たくさんありますね。」

ハンドラー 森田優子さん
「この子はまほちゃん。」

アニーと出会ったことで初めて、思い切り笑うようになったという子もいます。

ハンドラー 森田優子さん
「お母さんがおっしゃるには、ここまで笑うことなかったって。
病院に入院中でもお子さんが笑顔を見せてくれるというのは、親御さんにとっても大事なことですね。」

ファシリティドッグは、この病院では欠かせない存在になっていると言います。

神奈川県立こども医療センター 町田治郎総長
「本人がよくなろうとか、がんばろうとか、そういう気がないと治療の効果はなかなか出ない。
非常に助けてもらっている。」

ファシリティドッグ 普及への壁

しかし全国でまだ3例。
金銭的な負担などから、なかなか広がっていません。
アニーにかかる経費は、24時間一緒に過ごすハンドラーの人件費など、年間およそ900万円。
この病院では、NPOが集めた寄付金と合わせてまかなっています。
普及のためにも、森田さんはファシリティドッグの必要性をより多くの人に知ってもらいたいと考えています。

ハンドラー 森田優子さん
「ファシリティドッグといえば病院のわんちゃんだね、と分かってもらえるくらい認知度を上げるということ。
いて当たり前になっていくといい。」

子どもを癒やす ファシリティドッグ

桑子
「きょう私も訪問の様子を見せて頂いたんですけれども、車いすに乗っていてアニーに触れない子がいたんですね。
するとアニーが自分から立ち上がって、その子のもとに近寄って行ったんです。
本当に『気配り』がでる子だな、というのを見て感じました。」

有馬
「子どもたちの表情を見ていると、どれだけ支えになっているかな、とよく伝わって来ました。
でも3例目なんですね。」

桑子
「まだ少ないんですよね。
経費の面ですとか、訓練の環境が日本でまだないとか、いろいろ課題があって、なかなか一朝一夕にとはいかない。
森田さんもおっしゃっていましたが、まずこういった犬がいるんだということを、幅広く知ってもらって理解を広げることも、とても大事なんだなということを感じました。」

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