2019年8月8日(木)

“食料供給に深刻な影響”

桑子
「赤い炎に大きな煙が上がっているのは、アラスカの森林。
氷が溶け、むき出しになったグリーンランドの大地。
そして、ノルウェーで見つかった大量のトナカイの死骸。
今年(2019年)世界各地を襲う、記録的な暑さの被害です。」

有馬
「いまや『人類の闘い』と呼ばれる、地球の温暖化。
このままでは将来の食料の供給に深刻な影響が出かねない、そう警告する国連の報告書が公表されました。」

温暖化“食料供給が不安定に” 国連 報告書で警告

この夏、熱波に見舞われているヨーロッパ。
フランスのパリでは気温が42度6分を記録。
72年ぶりに最高気温を更新しました。

エッフェル塔を臨む広場では…。

ロシアから来た観光客
「信じられない暑さで驚いている。
全く予想していなかった。
中東にいるみたいだ。」

ヨーロッパではあわせて5つの国で観測史上、最高気温を記録。
地球温暖化によって、こうした熱波は今後も増えるとみられています。

これはNASA=アメリカ航空宇宙局が今年発表した動画です。
地球上の温度の変化を色分けで示しています。
近年、温暖化の影響が最も顕著に表れているのが、北極圏だとしています。

その北極圏では、いま深刻な影響が広がっています。
古くから犬ぞりが物資の輸送に活用されてきたグリーンランドでは、氷が溶け、犬たちは水をかき分けて、走っています。
さらに、北極圏にあるノルウェーの島では200頭を超えるトナカイの死骸が見つかりました。
エサとなる植物を食べることができなくなり、餓死したとみられています。

地球規模で次々に表れる異変。
その原因は何なのか。
国連のIPCC=気候変動に関する政府間パネルが、今日(8日)発表した特別報告書。
世界の各地で異常気象の頻度やその強さが増しているとしたうえで、温暖化の影響の可能性が非常に高いと結論づけました。

さらに…。

「気候変動によって食料の生産量の減少や、価格上昇・栄養価の低下が引き起こされ、食料供給に混乱をもたらす。」

“温暖化が食料供給の不安定化をもたらす”と警告したのです。
人口が今世紀末までに90億人に達する勢いで増え続けた場合、穀物価格は2050年には最大23%上昇する可能性もあり、温室効果ガスの削減が遅れれば、多くの国で経済的に重大な影響が出るとしています。
その事態は目の前に迫っているのではないか。
そう懸念される現象がすでに起き始めています。
熱波に加え、記録的な干ばつに見舞われているフランスです。

小島晋記者(ヨーロッパ総局)
「私がいるのは、ロアール川の川底なんです。
干ばつの影響で、一部は完全に干上がっています。」

フランスで最も長いロアール川は、雨不足から水位が大幅に下がりました。

川沿いに広がる家畜の飼料用のトウモロコシ畑は、深刻な打撃を受けています。
農家では、生育に影響が出て、今年の収穫量が半減するのではと、不安を募らせています。

酪農農家 ジョエル・リムザンさん
「猛暑の影響がでる時期がどんどん早まっているうえ、気温の急激な上昇に植物が適応しきれていない。」

乳牛などの家畜にも影響が出ています。
この酪農農場では、乳牛が食欲を失い、牛乳の生産量が2割、落ち込んだといいます。
フランス各地で農業指導にあたる専門家は、温暖化に歯止めをかけなければ、フランスの農業が立ちゆかなくなると、指摘しています。

フランスで農業指導 フレデリック・レブロさん
「今世紀末には農業生産が極めて困難になりかねない。」

桑子
「2050年の穀物価格の試算が出ていましたけれど、いまから30年後って実はあまり時間がないですよね。」

有馬
「『不都合な真実』というドキュメンタリー映画が地球温暖化の危機を訴えたのが2006年です。
もう10年以上たつんですけど、温暖化対策はまったく追いついていません。
2050年まであっという間、事態は深刻です。」

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