2019年9月26日(木)

倒壊したままのポール 住民の暮らし 見通しは


「台風15号の影響で、ゴルフ練習場のポールが住宅に倒れこんだ現場です。
一週間後の17日、そして昨日(25日)。
これまで状況は変わっていません。」

有馬
「住民たちの今後の暮らしは、どうなるのか。
きょう(26日)、撤去にあたる業者が、初めて住民説明会を行いました。」

台風15号で倒壊のポール 業者の負担で撤去へ

きょう夕方行われた住民への説明会。
会場には撤去の見通しや作業の進め方について聞こうとおよそ50人の住民が集まりました。

被害が出た住宅は少なくとも16棟以上。
状況は日に日に悪化しています。

住民
「鉄骨が取り除けないがために、被害がどんどん広がっている。
雨漏りで、畳とかにカビが生えてきた。」

住民
「うちのところも(ポールが)1センチくらい沈んで、屋根の割れ方が大きくなってきた。
(ポールが)家が支えている状態。
家が倒壊でもしたら、もっと激しい損壊になる。」

説明会に参加した住民によると、解体業者側からは、作業は関係するすべての住民の同意をとった上で始めることや、撤去作業を開始する時期は現時点で決まっていないこと、それに工事に着手してから完了するまでにかかる期間は2か月ほどであること、などが説明されたということです。
また、撤去作業にかかる費用については、ゴルフ練習場側からの支払いをうけず、解体業者が負担することも明らかにされたということです。

参加した住民
「(撤去まで)けっこう長いが無償。
善意が伝わってくる。」

一方で住宅の復旧については、ゴルフ練習場側と十分な話が出来ておらず、住宅再建の見通しはたっていません。

参加した住民
「撤去業者は決まったが、修復業者は決まっていない。
先は見えない。」

台風15号で被害の千葉 どうする?“心のケア”

今回の台風15号では停電が長引き、住宅の被害は1万8,796棟にのぼっています。
台風上陸から2週間以上がたち、被災した人の心のケアが重要になっています。

「こんにちは。
きょう言っていたとおりドクターを連れてまいりました。」

千葉県館山市に1人で暮らす男性を訪ねたのは、災害時に医療支援などを行う、医師や看護師でつくるNPO法人です。

「血圧を測らせてもらっていいですか?」

健康状態を診ながら、いまの心の状態をさりげなく聞いていきます。

医師 NPO法人『HuMA』 久野将宗理事
「台風で家もやられて。
どうですか。」

「あすにもあの世に、楽なところに行きたいと思って。」

衝撃的な言葉を発した男性。
自宅はブルーシートが張られていて、復旧のメドは立っていません。

医師 NPO法人『HuMA』 久野将宗理事
「ご高齢で1人で住んでいて、この台風で家も被害を受けて、より精神的なダメージもちょっと大きいような印象を受けた。」

医師 NPO法人『HuMA』 久野将宗理事
「先日、お会いしたの覚えています?」

小谷登志江さん
「わかりますよ。」

医師がきょう再び訪ねたという、こちらの女性。
今週、月曜日。
およそ40年暮らした自宅が住めなくなったことに、ショックを受けていました。

小谷登志江さん
「もう住める所ではないからね。
何とも言えない。」

会話をしながら、前向きに頑張ろうという気持ちが感じ取れたということです。

小谷登志江さん
「あとは自分で立ち直ってやるしかないね。」

NPO法人では、訪問して聞き取った内容を記録しています。

その中には「ここで死ぬ。骸骨になってかまわん。」と話すなど「自暴自棄」になっている人がいるという報告や、外部と連絡をほとんどとらず「完全に家に篭城している状態」の高齢者がいたとも記録されています。
訪問を行っているNPO法人は、今回の台風15号の特異性が、被災した人たちの心の負担につながったと指摘しています。

医師 NPO法人『HuMA』 久野将宗理事
「一回の台風だけで終わらなかった。
その後の電力回復の見込みがなかなか難しいところで、先が見えなくなった。
(先週末から今週の)台風17号は、直接の被害ではないが、ある程度の風や雨もあったと思うので、どんどんいろんなことが起こって不安にさせられた、というのはあると思う。」

NPO法人は、きょう活動内容を館山市に報告。

引き続き医療機関と連携するなどして被災した人の心のケアを継続していく重要性などを訴えました。

医師 NPO法人『HuMA』 久野将宗理事
「いま目の前にあることをなんとかしなきゃいけないと、一生懸命気丈に振る舞われている人もたくさんいると思う。
そういった人がなにかの拍子で緊張の糸が解けた時に、ストレスの症状がどっと出る可能性がある。
長期的なフォローが必要になる。」


「このNPOによりますと、心のケアを適切に行うためには、まずはこの1ヶ月が勝負だということです。
これ以上、深刻化させないためにも、自治体と医療機関の連携が必要になります。」

有馬
「今回の停電と台風被害、その甘い見通しが、結果として今も多くの人を苦しめていることを、関係者、そして私たちメディアも、強く認識しなければなりません。」

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