2019年11月7日(木)

悲痛な訴えが… 多胎児を育てる親 過酷な実態

「“トイレに行けず、大人なのに漏らしてしまった”。
“4日間、シャワーも浴びない日があった”。
“耳が痛くて、受診すると鼓膜が破れていた”。
こうしたつらい体験を寄せたのは、双子や3つ子など『多胎児』を育てる親たちです。」

有馬
「これまで表に出ることがなかった過酷な実態が見えてきました。」

“多胎児”の子育て 過酷な実態 明らかに

きょう(7日)午後、厚生労働省で行われた記者会見。

多胎育児のサポートを考える会 市倉加寿代さん
「ここまでの内容が書かれるとは思っていなかった。
すごく驚いた。」

多胎児を育てる親を対象に支援団体が行った全国アンケート。
1,591人から回答がありました。
この中では、「気持ちがふさぎ込んだり、子どもにネガティブな感情を持ったことがある」と答えた人は93%。
また、育児中に「つらい」と感じた場面を複数回答で聞いたところ、「外出・移動が困難」が89%、「自分の睡眠不足・体調不良」が77%に上りました。

“まとまった睡眠がまったくとれず頭がおかしくなりそうだった。”

“最低一度は限界を迎え死にたくなります。”

会見には、アンケートに回答した当事者の姿も。
3歳の双子の女の子を育てる角田なおみさんです。

3歳の双子の女児育てる 角田なおみさん
「私は育児に向いていないと思い詰め、子どもをあやめるか自殺しようか、どちらが良いか迷っていた。
虐待死事件を起こしていたかもしれない。」

角田さんには娘たちが1歳になるまでの記憶がほとんどないといいます。

3歳の双子の女児育てる 角田なおみさん
「1番の苦労は、寝られなかったこと。
使った体力や精神力を取り戻す余裕がなく、次の日を迎える。
綱渡りの毎日を送っていたので。
こうやって見るとすごくかわいいけど、この時は、かわいいと思えなかった。」

当時夫は仕事で終電帰りが続き、孤独感を募らせていきました。

3歳の双子の女児育てる 角田なおみさん
「赤ちゃんが泣き始めたのに夫は起きなくて。
1番近くにいるのに気づいてもらえない。
“1人で辛いな”と涙を流していた。」

今回のアンケートに寄せられた回答を読んで角田さんは…。

3歳の双子の女児育てる 角田なおみさん
「こんな苦しみは私だけが感じていたことではなかったと、はっきりわかりました。」

アンケートを実施した市倉加寿代さん。
きっかけは、双子を育てている友人が漏らしたひと言でした。

多胎育児のサポートを考える会 市倉加寿代さん
「“クローゼットの中にこもって時間が過ぎるのをただ待つときがある”と聞いて、これは本当にまずいサインが出てるなと。」

驚いたのは、初日だけで200件もの回答が寄せられたこと。
その多くが夜中に入力されたものだったといいます。

多胎育児のサポートを考える会 市倉加寿代さん
「夜の10時過ぎてからも件数が衰えなくて、(午前)1時2時3時に打っていただいた方もすごく多い。
夜中に皆さん寝かしつけが終わった後に、自分の睡眠不足もある中、答えようと。
みんなそれだけ声をあげる機会を欲していた、声をあげる機会が無かったんだなと思っている。」

アンケートの中で多くの母親が言及していたのが、去年(2018年)、3つ子の母親が次男を床に叩きつけて死亡させた事件。
回答には「自分も一歩手前まで追い詰められたことがある」とつづられていました。

“何度も子どもを窓から落とそうかと考えましたし、毎日泣いていました。”

“双子育児をして始めて、虐待する親と自分は紙一重なんだと気づきました。”

そして、最も多かったのは、多胎育児への配慮が乏しい子育て環境への嘆きの声でした。

“3人預けるのは、預け先がない。”

“2人以上同時にみてくれるシッターさんが高額(二時間以上で1万以上)。”

“バスは乗車拒否は当たり前、手伝ってもくれない。
ひどいタクシーなんかは止まってもくれません。”

会見の中で角田さんは、今苦しんでいる親たち、そして社会に向けてこう訴えました。

3歳の双子の女児育てる 角田なおみさん
「悪いのは無理の出来ないあなたではなく、無理を強いる社会の仕組みです。
そして社会の皆さん、私たちの抱えている負担についてご理解いただきご支援をお願いします。」

桑子
「『悪いのは、無理を強いる社会の仕組みだ』。
強い言葉ですよね。
多胎児の育児がどれほど大変か経験しないと100%はわからないことではありますけれども、そこを私たちは想像して、考えていかないと変わっていかないですよね。」

有馬
「そうですね、社会の方が、懐深く変わらないといけないですよね。」

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