2019年12月2日(月)

COP25開幕 温暖化による未曽有の災害 防災対策 新たなフェーズへ

桑子
「『気候変動』で、日本の災害の被害は甚大化しています。
ことし(2019年)は、豪雨災害が想定されていなかった場所で大きな被害が相次ぎ、これまでの防災対策が通用しなくなった地域も出てきました。」


有馬
「防災対策は新たなフェーズに入りました。
究極のかじ取りを迫られる人も出てきました。」

東京都 地下に巨大空間

「温暖化」がもたらす新たな災害の脅威に全国の自治体は、これまでにない対策が求められています。

東京都担当者
「こちらが大雨の際に、川の水を一時的にためる環状7号線の地下の調節池です。」

取材:杉田沙智代

東京の杉並区の地下およそ40メートルにつくられた、雨を貯める巨大な空間です。

雨水をここに逃がすことで、川の氾濫を防ぐことができます。
全長は、4.5キロ。
25メートルのプール、およそ1,800杯分を貯めることができます。

台風19号では、調節池の働きもあり、都心を流れる神田川は氾濫を免れました。

東京都担当者
「ここまで水がたまったと思う。
9割ですので、かなりぎりぎりまで(ためた)。」

容量の限界の90%まで水がたまり、さらに雨が降ると氾濫が起きる可能性もありました。
そこで東京都は、2025年度までに、こうした地下に水をためられる場所を新たに7か所つくる計画です。

東京都建設局河川部 小田中光課長
「大体40年前と比べると、1時間50ミリ以上の雨が降る回数が東京で3倍ぐらい増えている。
レベルアップした対策を着実に進めていくのが、まずは大切かなというふうに思う。」

宮城・大郷町 集団移転も

「温暖化」がもたらす災害を見据えて、集団で住まいを移転することを検討する自治体まで出てきています。
宮城県大郷町です。
台風19号で吉田川が決壊し、多くの住宅が浸水被害を受けました。

町は、これまでたびたび氾濫に脅かされてきましたが、もはや堤防の強化だけでは限界があると考えています。
町が提案したのは、川沿いの一部の住宅地を高台に移す案でした。
先月(11月)、町の職員が住民を訪ね、移転についてのアンケートを実施しました。

町職員
「これからもこの土地で暮らしたい?」

男性
「(子どもが)幼稚園なので離れてしまうと…。
(家を)直してでも住んでいたい。」

移転の対象となる地区に住む高橋敏雄さんです。
生まれ育った場所を離れたくないという気持ちはありますが、今回、自宅が水に浸かり、子どもたちは移転に賛成しています。

移転を検討する 高橋敏雄さん
「正直、自分が生まれたとこだから、ここで骨を埋めたいという気持ちはあるが、日本どこにいても安心して住める所はない。」

集団移転の対象となった住民118世帯のアンケート結果です。
最も多かったのは(45%)「条件しだいで移転する」でした。
町はこの結果を受け、今月(12月)中に、移転に関する資金の支援などについて方針を示すとしています。

宮城県大郷町 田中學町長
「温暖化という現象が、今後誰も保証できない。
皆さんの意見を尊重する形で、新しい場所に移り住む環境をつくって与えるというのが、我々自治体の仕事。」

突きつけられる新たな防災

温暖化により日本全国が災害の脅威に晒される中、国も堤防やダムの強化、それに集団移転の促進など、ハード、ソフト両面での対策を急いでいます。

検討会の委員長 土木研究所 小池俊雄センター長
「激甚化する災害のスピードが、早いというのを確かに感じるところで。
もう少しこの政策のスピードを上げないといけないと思います。」

桑子
「国の調査によりますと、温暖化が進むと、2050年にどうなるのか。
その被害額は、2013年と比べると2倍の4,300億円になる、という予測。
それだけ被害が甚大になるということ。」

有馬
「『温室効果ガスの削減』、これを話し合うというと、遠い話にも聞こえてしまうが、、こうしてわが身にふりかかる災害に置き換えてみると、ほんとに切実な問題だということが分かります。」

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