2019年12月18日(水)

自治体の業務に影響が… 原因はクラウドサービスの不具合

桑子
「『住民票や戸籍が出せない』『公共施設の予約ができない』。
全国50を超える自治体でこうした影響が今月(12月)上旬から相次ぎ、現在も完全には復旧していません。」

有馬
「こうしたトラブルの原因となっているのは、自治体が利用する『クラウドサービスの不具合』なのですが、その影響、こんなところにも出てきています。」

その影響は「通知表」にも 自治体利用のクラウドに不具合

深川仁志リポーター
「東京・練馬区です。
システムの不具合の影響で区内の小中学校で通知表が作成できず、終業式に間に合わない事態となっています。」

子ども
「聞いた瞬間、えーっと。」

終業式に通知表が間に合わないのは、練馬区の小中学校で通知表を作成するシステムに不具合の影響が出たためです。
区立の小中学校の児童と生徒は、あわせておよそ4万6,000人。
配布は年明けになる見込みです。

子どもたちからは、こんな反応も。

深川リポーター
「お父さんお母さんに成績を見せられなくて、どう?」

子ども
「それはそれでいい。
もしかしたら成績がよくないかもしれないから。」

保護者
「できれば年内に見たかった。
“成績が悪かったらプレゼントは買えないよ”という話もしていたので。」

保護者
「次の学期までに復習をちゃんとやりたいので、ちょっと心配はある。」

いったい何が起きているのか。
不具合が起きたのは「日本電子計算」が全国53の自治体の業務のために提供しているクラウドサービスです。
システム障害が起きた自治体は、戸籍や住民票、介護保険などさまざまなデータをクラウドサービスに預けて、業務を行っていました。
ところが、今月4日、クラウド上のプログラムに問題が発生。
預けているデータを使った業務を行うことができなくなったのです。
さらに、その際、一部のデータが消えた可能性があり、復元もできないおそれも。
最大で33の自治体に影響が及ぶとしています。

各地の自治体では対応に追われています。
東京・中野区では、当初、戸籍に関する証明書が発行できなくなったり、区のホームページが閲覧できなくなったりするなど広い範囲に影響が出ました。
大半は復旧したということですが、いまも影響が残っているのが介護保険。
「要介護認定」などに使う、システムがいまだに使えないのです。
このため、別の課から応援職員をもらうなどして手作業で認定作業を進めていますが、徐々に認定に遅れが出始めているといいます。

中野区 介護・高齢者支援課 葉山義彦課長
「介護の認定が変更の時期を迎えた人、期限が近くなってきた人が、『申請を出しているが結果が届かない』と、問い合わせをいただいている。」

さらに、データの一部が消失した可能性も。
認定作業と並行して新しいデータの作成作業にも追われているといいます。

中野区 介護・高齢者支援課 葉山義彦課長
「どれくらい時間がかかるか見込みも立っていない。
とにかく利用者に迷惑がかからないように全力を尽くしている。」

情報セキュリティーに詳しい専門家によりますと、クラウドサービスを利用する自治体は増えているということです。

早稲田大学 基幹理工学部 内田真人教授
「管理の手間が省けるところが大きい。
『バックアップをきちんとやってくれる』という期待感があって、『自分でやるよりも外部に任せた方が安心だ』と。」

こうしたなかで起こった今回のトラブルについては。

早稲田大学 基幹理工学部 内田真人教授
「クラウドサービスは不具合が起きたとき大規模化してしまう傾向もある。
そういう特徴をきちんと理解する必要がある。
パーフェクトな技術はない。
それぞれの技術の強い所、弱い所は適切に評価したうえで、弱い所にはカバー・フォローするための対処をしっかりしておかないと間違いが起こってしまう。」

自治体利用のクラウドに不具合

桑子
「なんだか恐れていたことが起きてしまったという印象ですけれども、自治体としてもちゃんとリスクを調べておかないといけないということですね。」

有馬
「となると、自治体のほうにもそれを見極められる人材が必要になるということでもあります。
パーフェクトな技術はないという専門家の話でしたけど、業者に丸投げではなくて、きっちり備えてほしいと思います。」

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