2020年1月22日(水)

トランプ大統領 岩盤支持層にほころび

桑子
「トランプ大統領、相変わらず強気ですね。」

有馬
「実際には罷免されないと見ているんでしょうね。
ただ大統領選挙に影響がないのかというとそうとも言い切れない。
ここに、揺らぎが見えるんです。」

桑子
「岩盤支持層。」

有馬
「この岩盤支持層の代表的な存在がキリスト教福音派なんですが、4年前の当選以来、トランプさんを熱烈に支えてきたその支持に、ほころびが見え始めているんです。」

岩盤支持層にほころび キリスト教福音派の“離反”

アメリカ トランプ大統領
「福音派の皆さんとともに、私たちの伝統と自由を守る。」

みずからの再戦がかかる大統領選挙を11月に控えるトランプ大統領。
年明け早々から「キリスト教福音派」の集会に足を運び、変わらぬ支持を呼びかけました。

聖書の言葉を厳格に守ることを教えの柱とするキリスト教保守派の「福音派」。
国民の4分の1を占めるとされ、トランプ大統領の再選には欠くことのできない一大支持基盤です。

中東イスラエルにあるアメリカ大使館のエルサレムへの移転に、人工妊娠中絶の支援団体への補助金の廃止。
トランプ大統領は就任以来、一貫して福音派の主張を政策に反映させてきました。

集会の参加者
「トランプ大統領は宗教の自由を守ってくれる。
それはとても重要なことだ。」

「キリストを愛している。
大統領の再選を望む。
中絶やイスラエルについて神の意志を実行している。」

ところが去年の暮れ、その「福音派」の一部が反旗を翻しました。
信者に大きな影響力を持つ有力誌が大統領の罷免を求める社説を掲載したのです。

“トランプ大統領はホワイトハウスから追い出されるべきだ”

ウクライナ疑惑をめぐって、トランプ大統領は憲法に違反していると指摘。
さらに大統領の姿勢そのものが道徳に反すると断じています。

「福音派」の有力誌がなぜ大統領に批判の矛先を向けたのか。
編集長として社説を書いた、マーク・ガリさんを取材しました。

かつては福音派の牧師でもあったガリさん。
女性をめぐる数々のスキャンダルや、社会の分断を深めるようなトランプ大統領の言動に、これまでも強い違和感を感じてきました。
ウクライナ疑惑で弾劾訴追までされたトランプ大統領の姿勢はすでに一線を越えたと感じ、社説の掲載を決意したと言います。

社説を執筆 マーク・ガリ元編集長
「信者たちが分別なく大統領を支持すれば、信仰を損なうことになる。
我々はもうそのことに気づくべきだ。」

社説の掲載直後から大きな反響があり、数え切れないほどの手紙やメールが寄せられたと言います。
批判もあるものの、賛同する声が少なくなかったと言います。

“分断をあおるような大統領の姿勢に、キリスト教徒が抵抗するのを見て、励まされる思い”

“神もあなたの結論に賛同したことでしょう”

社説を執筆 マーク・ガリ元編集長
「私たちは信者たちが議論できる場をつくりたかった。
各自、自分が何を信じているかしっかりと確認すべきだ。
そして大切にする価値観を守ってくれる候補を見つけるべきだ。」

トランプ大統領への支持を見直そうという動きも出始めています。
大統領選挙で接戦が予想される南部フロリダ州の教会です。

ドジアー牧師
「勝利は政治家がもたらしてくれるものだと多くの人が考えているが、勝利をもたらすのは神だ。
キリスト教徒はそれを忘れてはならない。」

教会の牧師を務めるドジアーさんです。

長年の共和党員で前回の大統領選挙ではトランプ大統領に投票しましたが、いまは批判へと転じています。

ドジアー牧師
「キリスト教徒には、ガリ氏の忠告に耳を傾けてほしい。
大統領との関係を続ければ、彼は私たちの組織を破壊してしまうだろう。」

信者からは賛同の声が聞かれました。

信者
「神の教えに反するなら、大統領であっても信頼はできない。」

「牧師に100%同感だ。
自分の考えを持ち、常に正しい行いをしなくては。」

岩盤支持層にほころび 大統領選挙への影響は

桑子
「岩盤支持層と思われていた人たちが、トランプ大統領への支持を見直し始めているってこれ…。
ワシントンの油井支局長が先週の対談で指摘していた、『隠れ反トランプ派』の動き?」

有馬
「その一端だと言うことができると思う。
『もう大統領は支持できない』と表立っては言わないけれど、実は心が離反している人たち。
アメリカ全体を見渡せば、まだ限定的な現象かもしれませんが、これが選挙となり、与野党が拮抗する選挙区になると、わずかな支持離れが結果を左右する。 
トランプさんはこれを警戒しているわけだ。
弾劾をめぐる動き、そして大統領の態度が福音派の信者にどう映るのか、選挙をみるうえで重要な要素となりそうだ。」

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